Clubhouseを荒らす、空気読めない「ルームクラッシャー」の存在

Clubhouseを荒らす、空気読めない「ルームクラッシャー」の存在

音声で交流するClubhouseの「トークルーム」(dpa/時事通信フォト)

 コロナ禍で外出もままならない今、新たな出会いを生み出してくれる音声SNS「Clubhouse」(クラブハウス)が注目されている。トークの盛り上がりを通して人間関係が広がっていくところは、いまや激減した「飲み会」カルチャーの疑似体験とも言える。

 しかし、時に困った相手に遭遇してしまうのは、現実のコミュニケーションにおいても、SNS上のコミュニケーションにおいても同じこと。Clubhouseではトークルームを荒らす存在が「ルームクラッシャー」と呼ばれ、ユーザーの間で警戒する動きが広がっている。

 ルームクラッシャーは、「本人に悪気がある/ない」のふたつに分けることができる。誹謗中傷を言い捨てするなど、本人が意図して荒らし行為をしている場合も、もちろん困ったものだ。しかし、一層対応に困るのは、ルームクラッシャー本人がただ純粋に空気を読めていない場合ではないだろうか。

 トークルームのモデレーター(司会役)は、特定のスピーカー(話し手)をリスナー(聞き手)に降ろす権限を持っている。しかし、明確な荒らしに対しては権限を発動できても、本当に悪気がない相手だと一言注意するだけでも気が引けるというのが自然な心理だろう。

 ルームクラッシャーの名付け親と目されるのが、セクシー女優の綾野鈴珠氏だ。綾野氏が友人たちと「ルームクラッシャーを許すな」というトークルームを開いたことによって、その言葉が一気に広がったという。綾野氏は、ルームクラッシャーの困った行動についてこう言う。

「いきなり持論を長々と話し出したり、それまでの流れを把握しないまま会話に参加しようとしたり、悪気なくトークをストップさせてしまう方を何度か見かけます。よくあるのが、『この間はどうも』と始まって、お互いしかわからない話を長々と続けてしまう人たちです。他のスピーカーやオーディエンスもいるので、一部の人にしか伝わらない話題は挨拶程度で済ませてほしいです」

 綾野氏が続ける。

「自分がスピーカー役になったときは、場を回せとまでは言いませんが、『自分が、自分が』ではなく、リスナー側のことを考えて話をしてもらいたいです。Clubhouseでの会話は、鍵付きルーム(特定の人間だけ参加できるトークルームのこと)の設定にしない限り、個人的な通話ではなく、オープンな場で行われているものです。スピーカーは、ある程度リスナーが楽しめるように意識しながらトークしていることを、理解してない方が多い印象です」

 大勢が参加する場にもかかわらず、自分ひとりが延々と話し続けてしまったり、それまでの流れを無視した発言をしてしまったり、一部の人にしか通じない話を始めてしまうというのは、Clubhouseに限らず、現実でも時々遭遇する困った存在だ。では、ルームクラッシャーが現れたとき、モデレーターや他のスピーカーはどのように対応すべきなのだろうか?

「一言ツッコミを入れて、会話を終わらせる。一部のスピーカー同士で個人的な話題が続きそうなら、そのトークルームを離れて別のルームを作ることを提案する。もしくはスピーカーからリスナーに降ろしても良いですし、いったんトークルームを閉じても良いでしょう。もしもルームクラッシャー本人が後でグチグチ言ったとしても、『そもそもClubhouseに向いていない人なんだろう』くらいに受け止めて、あまり気にしなくて問題ない気がします」(綾野氏)

 Clubhouseのトークルームには、仲間内の雑談でしかないものから、あるテーマについて議論する場、専門家が情報発信するセミナー的な場まで、さまざまなカラーのものが存在している。ただの雑談の場であれば、多少自由に話したところで問題ないかもしれないが、そうでない場合は、気を付けないとルームクラッシャーになりかねない。口を開く前に、いったん場の空気を読む……というのは、普段のコミュニケーションでも求められる姿勢だろう。

◆取材・文/原田イチボ(HEW)

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