会社を年商130億円に 青汁王子がヒット商品作れた2つの条件

会社を年商130億円に 青汁王子がヒット商品作れた2つの条件

最近も地方経済の活性化を目的としたオンラインスクール「青汁学院大学(青学)」を開校した三崎氏

『すっきりフルーツ青汁』を大ヒットさせ、年商130億円の会社を作り上げながら、2019年脱税容疑で逮捕された“青汁王子”こと実業家の三崎優太氏(31才)。保釈後はSNSを通じて自身の活動を発信する「青汁劇場」を展開し、脱税したとされる1億8000万円を配る「贖罪寄付」などが話題になった。2020年には、自身の過去を語った著書『過去は変えられる』(扶桑社)を上梓するなど話題の尽きない同氏だが、青汁を巨額ビジネスに成長させた経営者としての三崎氏についてはあまり語られない。なぜ青汁はヒットしたのか、本人に聞いた。

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 もともと、18才で立ち上げた会社「メディアハーツ」で携帯電話のアフィリエイトサイトを多数運営し、年商1億円の事業として成功させていた三崎氏。数年間の会社休眠を経て、突如新規事業として青汁の通信販売を始めたが、当時美容・健康業界の知見は全く無かったという。そもそもなぜ青汁を売ろうと思ったのか。

「会社を休眠している間、コツコツ貯めた1億円を増やそうと株式投資を始めました。しかし、自分が思っていたよりも金融の世界のスピードは早く、早々に全額失ってしまったんです。必死で貯めた1億円が泡のように消え、無一文になってしまった。何日も眠れない夜を過ごしました。

 しかし、もう一度稼ごうにも過去に成功したアフィリエイト事業は、スマートフォンの台頭で市場が縮小しつつあったため同じ手は通用しません。一刻も早く何か別の分野で伸びるビジネスを見つけないといけない、何かヒントは無いかと、大企業から中小企業まで、あらゆる会社の決算書を読み漁りました」

 徹底的なリサーチの結果分かったのが、美容・健康業界と通販事業が成長し続けていることだった。当時から通販会社はたくさんあったが、スマホユーザー向けに特化した通販は少なかったという。

「今では当たり前ですが、既存の小売業者などを通さずにメーカーが作った商品を直接消費者に販売する『D2C』をやっている企業は当時ほとんど無く、これなら勝てると思いました。具体的に何を売るか考えていたところ、ふと、健康のために毎日飲んでいた青汁が目に入ったんです。当時ぼくが飲んでいた青汁はとにかくマズくて、若い人には馴染みが薄かった。これをもっと飲みやすくすれば、高齢の方だけでなく若い層にも受けるんじゃないか、そんな思い付きで、青汁を作ることに決めたんです」

 もともと健康・美容業界に興味があったことや、ライバル企業が比較的少なく参入障壁が低かったことも後押しした。思い当たる知人に頭を下げて回り、1000万円をかき集めたという。何百という青汁のサンプルを試し、徹底的に飲みやすさを追求して出来たのが、後に大ヒットする『すっきりフルーツ青汁』だ。

「まずは商品の存在を知ってもらうことが一番重要でした。だから、真っ先に力を入れたのが『広告宣伝』です。でも、開発費にお金がかかり、残りの資金は少なかった。お金が無いので、もちろん広告代理店には依頼出来ません。少ない資金で商品を世に広めるにはどうすれば良いか。そこで役立ったのが、かつてのアフィリエイト事業で得た知識です。どのサイトにバナー広告を出せば、どのくらいアクセスが期待できて、どの程度販売につながるか、かつて培ったノウハウを駆使し、ひたすら自分で広告を打ち続けたんです」

 平行して、販売につながるホームページを作るため、いくつものサイト構成を試し何度もテストしたり、商品をリピートしてもらうため、青汁の美味しい飲み方や料理に取り入れるアレンジレシピを同梱するなど、さまざまな工夫を重ねた。その結果、商品が売れすぎて、一時は製造スケジュールやキャッシュフローが立ち行かず、黒字倒産の危機に陥ったこともあったという。

「当時、1000万円という少ない資金で、よくここまでのヒット商品を生み出せたと色んな人に言われました。開発した青汁がよほど飲みやすく美味しかったんだろう、と。でも、もちろん開発にもこだわりましたが、ヒットの理由は商品力だけではありません。D2Cと継続的な広告戦略の2つが揃っていたから、当時ヒットにつながったんだと思います。この2つがあれば、極端な話、青汁じゃない別の商品でもヒットしていたはずです」

「マイナスなことが起きた時も、リターンは何があるだろうといつも考えます」そう語った三崎氏。投資で全財産を失った時も、脱税容疑で逮捕された時も、常にリターンを探し続け、逆境に強い今の三崎氏が出来ていったのだろう。

取材・文/小山内麗香

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