みずほが取り組む25%リモートワーク 支店をサテライトオフィスに

みずほが取り組む25%リモートワーク 支店をサテライトオフィスに

丸の内や大手町に通うのではなく、自宅近くの支店に用意されたサテライトオフィスに通う人も(EPA=時事)

 新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)をきっかけにリモートワークが急速に広まっている。問題は、自宅だとリモートワークをするためのスペースの確保が難しいケースが少なくないことだ。それを解決するために、みずほフィナンシャルグループ(FG)は支店の空きスペースをサテライトオフィスとして活用する試みを進めている。

「リモートワークの制度そのものは2016年10月から導入していました。利用実績は開示していませんが、正直なところ、利用者はそんなに多くありませんでした。しかし昨年からの新型コロナの影響で、お客様と社員の健康への配慮から本部社員のリモートワークを推進してきています」と説明するのは、企画管理部企画第一チーム参事役の今吉潤氏。

 とはいえ、全員をリモートワークにするわけではない。「本部の社員数は1万人強ですが、各部署の業務を分析して積み上げた結果、全体の業務の25%をリモートワークに振り分けるのが適正と判断しました」と、今吉氏は言う。

 本部での25%リモートワークは新型コロナ対応だけの緊急措置ではなく、みすほFGでは恒常化していく方針でもある。現在、みずほFGは本社が所在する大手町タワーと昨年秋に竣工した丸の内タワーへの本部機能集約を進めているところだが、これも25%リモートワークを前提とした設計に組み直している。

 全員分の座席を確保する設計から、75%分の座席しか用意されないことになる。個人の座席はなくなり、グループごとの共同席などが導入される。そうなると、スペースに余裕が生まれることになる。

 それは放置されるわけではない。25%リモートワークで空いたスペースには、当初は集約対象にはなっていなかったグループ会社を入れることで、いっそうの集約化を進めていく。

 25%リモートワークを恒常化させるとなると、それにふさわしい環境整備も必要となってくる。今吉氏が語る。

「社員アンケートなどでも、家では仕事しづらいという声が多く寄せられました。そこで考えたのが、支店の会議室など空いているスペースの有効活用でした」

 複数の企業が自由に利用できるタイプのオープンオフィスも増えてきているが、「金融機関は大切な顧客データなどを扱うため、セキュリティの問題で他社とスペースを共有しづらい」(今吉氏)という問題がある。しかし支店をサテライトオフィスにすることで、専用のスペースを確保することができてセキュリティも万全になる。多くの支店をもっているからこそ可能な選択でもある。

 最初にオープンしたサテライトオフィスは吉祥寺、立川の支店と、恵比寿研修会館、茗荷谷研修所の4か所で、昨年12月25日のことだった。さらに現在は4ヶ所が増え、3月末までには3ヶ所を増やし、合計11ヶ所になる予定だ。

 場所については、効率的に利用できるように、社員の自宅分布を分析したうえで決められている。歩いて通えるケースは多くはないが、丸の内・大手町に出勤するよりは、はるかに時短につながっているという。

 確保されている席数はサテライトごとに違うが15席前後が多く、そのほかにリモート会議ができるスペースも設けられている。「常に満席の状態で、利用には事前予約が必要」(今吉氏)という状況で、社員にも好評のようである。サテライトオフィスは、さらに増やしていく予定でもある。

 同じような試みは他の金融機関にも広まる気配であり、新型コロナ後にもリモートワークは金融機関でも「普通の働き方」として定着していきそうだ。

取材・文/前屋毅(ジャーナリスト)

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