橋本会長、小池知事、丸川大臣 役者が揃った「女たちの東京五輪」

橋本会長、小池知事、丸川大臣 役者が揃った「女たちの東京五輪」

「東京五輪・パラリンピック組織委員会」新会長に就任した橋本聖子(時事通信フォト)

 開催まであまり時間がない中で、組織委員会会長が交代した東京オリンピックは、いったいどうなっていくのか。構成作家でコラムニストの山田美保子さんが“女たちの五輪”の展望について分析します。

 * * *

小池都知事が推していたのは小谷実可子さんとの報道も……

 選定が混迷を極めた「東京五輪・パラリンピック組織委員会」新会長人事。ご存じのとおり、新会長には橋本聖子さん(56才)が就任されました。

 自民党内からは「火中の栗を拾いに行った」「本当に気の毒」という声もあれば、「上の人を立てたり、下を育てたりがうまい」「会見で決して余計なことを言わない」などの“高(?)評価”や、「森喜朗前会長(83才)がコントロールしやすい」など賛否両論。

 ちなみに、これらの声は、男性からのもの。女性の多くは離党をして、腹をくくって“後ろの扉”も閉めた橋本さんに期待し、声援を送っていると思われます。

 私は趣味の1つに「競輪観戦」があることから、管轄の経済産業省で産業構造審議会の委員を務めていたこともありますし、優秀選手の表彰式には毎年出席しています。そうした場所で、森さんにも橋本さんにも頻繁にお目にかかりました。だから、おふたりについては、長年、自転車競技にこまやかな配慮と理解を示してくださるかたとして感謝の念を抱いてきたものです。

 果たして森さんが表舞台から(一応は)去るなか、今後は小池百合子都知事(68才)が主導権を握るのではないかという見方もあれば、はじかれるという声も。はい、これも男性記者や男性識者の言い分です。

 昨年4月、「社長だと思っていたら、天の声がいろいろ聞こえてきて、中間管理職になったようだった」なる“名言”を残した小池さんでしたが、今度こそ、思う存分、リーダーシップをとっていただきたいと思います。

 その小池さんが組織委員会会長に推していたのは小谷実可子さん(54才)……との報道がありました。ウマが合うというよりは、小谷さんに政治色がないからでしょうね。

 小谷さんはこれまでオリンピック関連を中心にさまざまな役職に就いてこられましたし、なぜか専門外の『世界陸上』(TBS系)からもお声がかかる、いろいろな意味でモテモテなかた。

 知人の編集者が言うには「小谷さんは、男性、女性問わず、すぐに『お食事に行きましょう』などと誘っている印象がある」と。そうでしたか、“モテ”の理由がわかりました。ご自分から距離を縮めていくタイプなのですね。でも男性の中には誤解してしまう人がいるかもしれません。

 加えて小谷さんは、決して「私が、私が」とでしゃばるタイプではない。私が知る限り、目上の男性にすごく好かれていらっしゃいます。つまり、小池さんとは真逆なタイプ(苦笑)。報道番組を仕切る女性ニュースキャスターが、隣に自分とは正反対なかわいいタイプの従順な女子アナを置きたがるのにも似ているような気がしました。そのキャスティングをするのも男性ですが(苦笑)。

 女子アナといえば、丸川珠代さん(50才)が五輪担当相に再就任なさいました。私、テレビ朝日の女子アナ時代の丸川さん、大ファンでした。当時はまだ珍しかった東大卒であり、『CNNヘッドライン』をはじめとする報道番組の名キャスターでありながら、『ロンドンハーツ』や『Matthew’s Best Hit TV+』など、バラエティーでも活躍。『ビートたけしのTVタックル』で決して笑顔を見せずに面白ニュースを伝えた姿は秀逸でした。なんでも、ビートたけしサン(74才)から「ねえちゃん、芸人になんないかい?」と誘われたこともあったのだとか。

 でも丸川さんは安倍晋三さん(66才)に誘われて政治家の道へ。突然、テレビ朝日を退社することとなり、当時担当していた“地デジ大使”のCMがボツとなり、共演していた全国のテレビ局の女性アナウンサーからは、恨み節も聞かれたものです。せっかくの全国ネットへの出演が絶たれたわけですから。

 さて、そんな丸川さんの就任会見は、マスク越しにもニヤニヤがわかるほどでした。五輪に合わせてゴールドのロングドレスに着替えて撮影に臨んだ際も、本当にうれしそうでした。50才という節目の年に返り咲いた大臣ポスト。キャラということでいえば、元キャスターでもあった小池さんと丸川さんは「被ってしまうのでは?」という声がやはり、男性の政治記者から上がっています。そして過去の不仲説も再浮上。でも、おふたりのスッキリした笑顔での肘タッチは清々しく見えました。

1964年東京五輪の5日前に生まれ、聖火から「聖子」と命名

 橋本聖子さんについても案の定、過去のネガティブな話題が取りざたされており、それがまた五輪に水を差すのではないかと心配する声も上がっています。

 一方で、「完璧な人間なんていない」「決定的なマイナスではない」とする声もあり、最後は、「やっぱり彼女はアスリートだから」というところで話が落ち着くのです。

 長年、彼女を取材してきたスポーツライター氏の多くが「これ以上ストイックな人はいない」と口を揃えています。夏季冬季大会合わせて7回も五輪に出場。2010年のバンクーバー大会で、女性初の選手団団長を務めた際は、「死ぬ気で頑張って死んだ人はいない」「人間力なくして競技力の向上なし」と檄を飛ばしたそうです。

 とはいえ、「オリンピックの申し子」ではなく、「オリンピックおたく」と揶揄されていた時代もありました。スピードスケート選手が夏場に自転車競技の選手との合同トレーニングを実施するのがポピュラーだったとはいえ、まさか自転車でもオリンピックを目指し、出場。そのせいで、代表からはじかれてしまった選手のお父様から恨み言が聞かれたこともありました。でも、橋本さんは、代表選手として、結果を出し続けてこられました。

 1964年の東京五輪の5日前に生まれ、「聖火」にちなんで「聖子」と命名された橋本さんは、自身のお子さんにも、シドニー大会の2000年生まれの娘さんに「せいか」、アテネ大会の2004年生まれの息子さんに「亘利翔(ギリシャ)」、トリノ大会の2006年生まれの息子さんに「朱李埜(トリノ)」と命名しています。

 とにもかくにも、橋本聖子さんが組織委員会の新会長になったからには、今度こそ「アスリートファースト」を実現してほしいものです。

 コロナの収束が開催するか否かの鍵を握っているのは確かとはいえ、目標を失いかけ、不安を抱えるアスリートのかたが大勢いらっしゃいます。そうしたかたがたに寄り添い、想いを吸い上げ、第一に考えていただきたい。本来なら、女だの男だの、若いだの年寄りだのなんてことは無関係であるべき。そうした当たり前のことが、多くのシーンで言われるようになりました。やっと揃った小池百合子さん、丸川珠代さん、橋本聖子さんに多くの女性たちが期待しています。腹をくくった女性は強いんです。

構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ〜テレ)、『アップ!』(同)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2021年3月11日号

関連記事(外部サイト)

×