「私がいないとつぶれる…」ブラックバイト 昼夜激務で学べない

「私がいないとつぶれる…」ブラックバイト 昼夜激務で学べない

女子学生のスケジュール帳。「バイト」のスタンプが2個押された日はランチタイムと夜の勤務のあるシフトになっていた

 沖縄労働局が発表した実態調査によると、アルバイトをする理由に「奨学金をもらっても生活できないため」「学費が高過ぎるため」と挙げる学生も一定数いた。勤務先に過度な配慮をしてしまい、都合よく学生を働かせようとする雇用者との“共依存”の関係に陥って学業がおろそかになってしまうなど、翻弄(ほんろう)される学生の実態が浮かび上がった。
 今年2月まで、個人経営の居酒屋に勤めていた女子学生(21)は、開店時間のほとんどを勤務する生活を送っていた。午前11時から午後2時までのランチタイムと、午後6時から同11時までの「二重勤務」。運転中に「意識が飛ぶ」こともしばしばだったが、周囲から辞めるよう言われても「私がいなくなれば、お店がつぶれてしまう」との使命感が上回った。

 勤め始めて5カ月でアルバイト生が自分1人に。定休日以外の週6日は出勤した。働き続けるうちに常連との関係も居心地が良くなり、勤務中心の生活に。3限目の講義は一つも取れなかった。

 転機は大学の講義。ブラックバイトについて学び、自身がバイトを続けている理由が店長と共依存の関係にあると気付き、変化を恐れて周囲の支援を拒んでいた自分を見詰め直した。「ブラックバイトは薄給激務であることよりも、自分が使い潰(つぶ)されることで、社会に与える負の要素が大きいと気付いた」と話す。

 全国チェーンの飲食店で1カ月前までアルバイトをしていた女子学生(21)は、売上金の入金業務や店舗の閉店作業など、不在となった店長の業務を同僚と共に担った。午後6時から午前0時の閉店までの時間はバイト生のみ。「数カ月間、社員の姿を見掛けなかった」と話す。

 女子学生がバイトを始めてからの1年半で、店長は3度代わった。閉店後の店舗の施錠もバイト生の役割。全員が店舗の鍵を持っていた。3店舗を掛け持ちしていた店長が1店舗のみを管理するようになったのは、女子学生が辞めた先月のことだった。

 高校生の弟と母との3人暮らし。日本学生支援機構から毎月4万5千円の奨学金を借りている。「初めてのバイトだったからこれが当然と思っていた。でも、働かなければ学べない世の中はおかしい。奨学金の制度を充実してほしい」。働く学生の切実な訴えだ。
(新垣梨沙)

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