潜水病措置 医師以外も 緊急の場合に 厚労省見解

 スキューバダイビングなどで体内に窒素が蓄積することで引き起こされる「減圧障害」(潜水病)の初期対応が大きく変わろうとしている。これまで初期措置に有効とされる「医療用酸素」の使用は医療行為に当たり、医師免許が必要かどうか曖昧な部分があったが、厚生労働省は今年、医療関係者以外が医療用酸素を使用することについて「救命や救護のために緊急やむを得ない措置として行う場合は医師法違反にならない」との見解を初めて出した。

 県内では正しい医療用酸素の使用について、ダイビング業者らへの講習が始まるなど、周知に向けた動きも出ており、実際に重症化した患者数の減など成果も出ている。
■初期対応の重要性

 観光客などによるレジャーダイビングが盛んな沖縄は減圧障害の発症も多い地域だとされる。特に離島などで発症した場合、これまで医療用酸素を使わずに大型機器による高気圧酸素治療に頼る場合が多かった。機器のある本島などの病院に航空輸送されるため、航空機での気圧低下によって重症化するケースもあったという。

 減圧障害に詳しい琉球大医学部付属病院の合志清隆准教授は「減圧障害が起こった場合に酸素を吸入することで改善するケースが65%ある」と指摘し、初期対応の重要性を強調する。

 琉大付属病院には減圧障害で毎年十数人が受診し、約半数が重症化しているため高気圧酸素治療を施している。だが、今年は高気圧酸素治療を受けたのは1人だけで、その患者も酸素吸入によって症状が軽減した。合志准教授は医療用酸素の使用によって「沖縄の救急医療が様変わりする」と期待する。

■周知が鍵

 厚労省の見解は今年6月、比嘉奈津美衆院議員が開いた一日政調会で、同省医政局が示した。見解によると、医療用酸素の使用は、医師ではない者が反復継続する意思をもって使用することは医師法違反だとしつつ、緊急的な措置としての使用を認めた。今後は医療用酸素の正しい使用についてダイビング関係者への周知も鍵となっている。
(池田哲平、長浜良起)

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