ロックダウン再開のドイツ、原因となった工場の劣悪な労働環境が現地で話題に

ロックダウン再開のドイツ、原因となった工場の劣悪な労働環境が現地で話題に

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 ドイツでは、新型コロナウイルスのロックダウンの規制が4月23日から徐々に緩和が解除され、5月初旬にはほとんどの州でレストランが再開。そして6月末までには全ての学校が再開されると発表されたが、その矢先の6月17日、ドイツ西部のノルトライン・ウェストファーレン州の食肉工場で、1000人以上が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生した。このクラスターによる感染者数はまだまだ増えると言われ、州は即座に外出を制限するなどの規制を再開。予断を許さない状況である。

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 しかし、現地で注目されているのは、新型コロナウイルスの感染拡大より、今回クラスターが起きた食肉工場の労働条件の悪さのようだ。現地の報道によると、労働者はルーマニアやブルガリアなど東欧からの労働者で、狭い部屋に10人ほどが閉じ込められ、そこに寝泊りして働かされていたという。衛生状態も悪く、「毎日奴隷のような生活をさせられていた」と証言する労働者もいるほどだ。

 「ドイツでは、クラスターが起きたことより、労働条件の悪さがピックアップされ、報道されることの方が多いです。労働者が寝泊りしていた部屋の大きさは報道では具体的には明かされていませんが、2段ベッド4、5台が部屋いっぱいに敷き詰められるほどの大きさで、その中で生活している労働者の自分のプライベート空間はベッドのスペースのみだったという話も聞きました。人権侵害だと批判する人も多く、安価な商品の裏には安価で雇われている人がいることに目を向けるべきだという声が出ています。一部では、安価な製品の不買を訴えている人もいますね」(ドイツ在住日本人)

 こういった背景もあり、クラスターが発生した地域の人の多くが新型コロナウイルスの第2波を心配しているわけではなさそうだ。SNS上に上がった現地の人の声を見ると、「散歩は許されているけどそれもしたくない。外出が怖い」と警戒している人がいる一方で、「食肉工場での出来事なのにそれ以外の人も再び行動が制限されるなんておかしい」と、人ごとのように思う人もいる。新型コロナウイルスに対する警戒心が強い人とそうでない人の意識の差が大きく開いていることが分かる。

 「心配している人はスーパーへの買い出しの回数を減らしたり、買ったものにも消毒をするなどかなり気を使っていますが、一度ロックダウンの規制が緩和したことで、気が緩んでいる人も多いです。同州では6月26日現在、3人以上で集まることは禁止されていますが、SNSを見るとこっそり集まってパーティーをしている人もいるようです」(前出・同)

 また、クラスターが発生していない地域はというと、対岸の火事という雰囲気があるという。ロックダウンが最初に緩和されてから1か月が経つが、緩和から1週間は道路などでも社会的距離を取る人が多かったが、今では人々はこれまで通りの距離感ですれ違い、レストランも賑わっている。

 「いまだに警戒している人もいますが、全員で気をつけようというより、警戒している人が外に出なければいいという雰囲気です。夏の旅行の計画を立てている人も多いので、数か月後が心配になります。日本の方が慎重に行動している人が多い気がします」(前出・同)

 ドイツでは、新型コロナウイルスへの意識が薄れている人も多いが、再びクラスターが発生しないことを願うばかりだ。

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