同僚は揃って黙秘、2人の後追い自殺…遺体なき行政マン殺害事件の真相は【未解決事件ファイル】

 2001年10月31日、栃木県鹿沼市環境対策部の参事が行方不明となる事件が起きた。同日17時頃、職場からわずか200メートル離れた路上で自転車やカバンなどが散乱しているのが発見されており、何らかの事件に巻き込まれたとみられる。

 被害者の失踪から1年以上経過した2003年、参事を拉致監禁した疑いがあるとして実行犯グループの3人と首謀者の計4人が容疑者として浮上。3人を逮捕し、首謀者には逮捕状を取った。暴力団関係者である実行犯グループは、首謀者からの報酬目当てで被害者の殺害を請け負ったと供述。実行犯グループによると、首謀者は廃棄物処理業者の代表で、被害者から廃棄物処理について行政指導を受けて恨みを持ち、知人を通じて暴力団関係者に殺害を依頼したという。

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 被害者は群馬県内の山中へと連れ去られ、拳銃で胸を撃たれ殺害されたという。実行犯グループは、遺体をそのまま放置したと証言。殺害現場付近の捜査が行われたが、現在まで遺体や所持品などは一切見つかっていない。

 さらに、事件の首謀者は実行犯グループが逮捕された後「自分は関係ない」とのメモを残してまもなく自殺。自殺の理由は不明だ。事件の詳細を知るはずの市役所職員一同は口を開かずほぼ黙秘。捜査は難航した。

 「全国暴力追放運動推進センター」は、この事件の背景には行政の腐敗が挙げられるとしている。鹿沼市は、この首謀者が廃棄物処理のルールを違反していたにもかかわらず黙認していた。そんな中で新たな環境対策部の担当となった被害者は、これまでの腐敗した体制を知りながらも、正しい在り方を貫こうと首謀者にルール違反を指摘。これが事件に巻き込まれる原因となってしまったという。

 警察の捜査が進むにつれて市役所内のずさんな体制が浮き彫りとなり、市役所職員たちの口が重かったのも「庁内の腐敗が表面化するのを防ぐため」と発覚した。また、責任を感じた環境対策部の前任者の担当職員は、首謀者が自殺した5日後に市役所の上層階から飛び降りて自殺している。

 現在も栃木県警察が被害者の情報提供を呼び掛けているが、遺体発見の手がかりとなる情報は未だつかめていない。鹿沼市からも事件に関する言及やコメントはない状況。一日も早い被害者の発見を願うばかりだ。

記事内の引用について
『ジャーナリストによる行政対象暴力の実態報告』(全国暴力追放運動推進センター)より
https://www.zenboutsui.jp/iken/kako/kotoba/kotoba02.html

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