アメリカでは救急車を呼ぶのが有料? 日本と違い「スーパーヒーロー」視されている理由

アメリカでは救急車を呼ぶのが有料? 日本と違い「スーパーヒーロー」視されている理由

『9-1-1 LA救命最前線』(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 やっと気温が下がり、すっかり季節は秋へと移行。過ごしやすい気候で何かとイベントごとも多いシーズンだが、気を付けたいのは思いがけないけがや事故だ。総務省発表の『「平成29年中の救急出動件数等(速報値)」の公表』によると、10年前から救急車の緊急出動件数、搬送人員共に、年々右肩上がりで増加し続けている。

 日本ではまるで無料のタクシーのように救急車を呼ぶ人もいるといい、それが出動件数の要因ともいわれている。しかし、これはアメリカではありえない話のようだ。

 まず、日本とアメリカの救急の大きな違いは、日本では消防と救急が「119」、警察が「110」と緊急通報用の電話番号が分かれているが、アメリカでは「911」が消防、救急、警察のすべての緊急通報に対応していることだ。そのため消防と救急、あるいは警察のどこに通報すべきか、通報者が迷う必要はない。日本では消防官が「119」、警察官が「110」のオペレーターを務めているのに対し、アメリカの「911」のオペレーターは訓練を受けた民間人であるという違いもあり、州によっては試験もある。さらに一番の違いは、日本では特定の条件下でない限り「119」で救急車を呼んでも費用はかからないが、アメリカでは救急車を呼ぶだけで数万円の料金が発生することもあるという。

 アメリカにおいて消防士は市民を守るヒーローとして尊敬を集める存在で、子どもたちの憧れの職業ランキングでも常に上位にランクインしている。アメリカの消防士がヒーロー視される理由は、火事をはじめとする災害から人々を救うというその任務の尊さはもちろん、地域の住民との交流を大切にし、住民から慕われている点も挙げられる。

 消防署で行うさまざまなイベントに住民たちを招待することもあれば、火事に遭った人や火事で家族を失った子ども、闘病中の子ども、あるいは老人ホームのお年寄りにクリスマスプレゼントを配るなんてことも。だからこそ、地域の住民たちは消防車で食材などの買出しに出掛ける消防士たちにも寛容だ。消防車専用の駐車スペースを設けているスーパーがあったり、レジの順番待ちで消防士が一般客より優先されるケースもあったりするという。消防車でうどん店に立ち寄ったことが物議を醸した日本とは、消防士に対する見方が随分と異なるようだ。

 また、アメリカでも日本でも、消防士の食事は自炊が基本だという。いつ出動要請があるか分からない状態で外へ食事に出掛けていたのでは、初動に遅れが出る恐れがあるからだ。また、ヘルシーな自炊の食事は、体力勝負の消防士たちの健康な体作りという観点でも外食に勝る。「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、自分たちで作った料理を仲間と分け合って食べることで、消防士同士の絆が深まるというメリットもある。アメリカでは消防士による料理コンテストか開催されたり、消防署料理のレシピ本も多く発売されたりと、消防士が料理上手であることは有名。消防士が手料理を振る舞うイベントも各地の消防署で開催されているというから、ぜひご相伴にあずかりたいものだ。

 最新海外ドラマ「9-1-1 LA救命最前線」では、そんなアメリカの救命現場を感じることができる。緊急通報ダイヤルのオペレーターが受ける電話を軸に、司令塔の連絡を頼りに最前線で奮闘する消防士や警察官たちのリアルを新しい視点で描くレスキュー・ドラマだ。今月3日からデジタル配信中、DVDが11月2日にレンタル&発売となるので、ぜひチェックしたい。また、救急と並んでヒーロー視される職業、医者の現場が垣間見られるドラマも間もなく公開となる。医療海外ドラマ「レジデント 型破りな天才研修医」の舞台は最先端医療を誇るセレブ病院。カネと欲にまみれ、医療ミスの隠ぺいを繰り返す病院側の権力に真っ向から立ち向かう研修医たちの活躍を描いており、まさにアメリカ医療業界の理想と現実を浮き彫りにした良作である。こちらは、11月2日からデジタル配信、11月16日にDVDのレンタル&発売が開始となる。

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