品川区で発生したエリート女性の姉妹皆殺し事件!そのあまりに切ない境遇とは?【背筋も凍る!女の事件簿】

品川区で発生したエリート女性の姉妹皆殺し事件!そのあまりに切ない境遇とは?【背筋も凍る!女の事件簿】

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 皇紀2600(紀元2600)年祝典が行われ国民が湧いた1940(昭和15)年。東京都品川区のとある長屋で、女性が何者かに胸を刺され殺される事件が発生した。

 殺害されたのはこの長屋に住む30歳の女性で、同時にこの女性の23歳の妹も右肩を刺されて重傷を負っていた。生き延びた妹と、妹の夫の証言から犯人はすぐに判明した。犯人は25歳の次女で、三姉妹がけんかした末に殺人事件が発生したのだという。

 警察はすぐに次女を逮捕したのだが、その時、次女は全身を血だらけにし、わけの分からないことをしきりに叫んでいたという。しかも、その血はのどや自分の左胸にべっとり付いていた。出血もあり、すぐに手当てをしないと死んでしまうほどに深かったという。

 一部始終を目撃した三女の証言によると、次女は30歳の長女の胸を包丁で一刺しした後、続けて末妹の右肩を刺した。次女は続けて自分の胸に包丁を一突きしたのだが、あまりの痛さ、苦しさに悶絶。震える手で自分の喉を刺したのだが、やはり死にきれず、そのまま長屋へ出て逃走。悲鳴を聞いた三女の夫が、暴れる次女を取り押さえて警察に引き渡したのだという。

 血を分けた姉妹を皆殺しにしようとしたのは、自身の境遇に悲観したことが動機だったようだ。次女は子供の頃から優秀で、成人後はJRの前身に当たる鉄道省に入省。事務員として働くエリートだった。しかし、長女は19歳の頃、縁談がきっかけで嫁に出たが、数年前に実家に戻ってきていた。三女も2歳の頃の事故が原因で脳に障害が残り、介護を受けていた。

 父母は既に年老いていて働くことができず、収入は全て次女頼りとなっていたのだ。次女は結婚願望が強く、しばらくしたら鉄道省も辞めようと決心していたのだが、姉や両親から引き留められてしまい、婚期を逃してしまったことを悲観。ついには姉妹を自らの手で皆殺しにする決意を固めたのだという。

 エリート官僚女性が起こした凄惨な事件。その裏には自らの境遇にもがいた女性の涙があった。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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