金ピカ先生の孤独死、転落の原因は浪費癖? “バブル組”が引きずる後遺症

金ピカ先生の孤独死、転落の原因は浪費癖? “バブル組”が引きずる後遺症

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 9月24日に、金ピカ先生こと佐藤忠志氏が都内の自宅で孤独死していたニュースを、各メディアが報じた。

 金ピカ先生とは、80年代に代々木ゼミナールや東進スクールで活躍したカリスマ講師だ。時は大学受験戦争の真っ只中で、世の中はバブル景気に浮かれていた。迫り来る日本の国際化に不可欠な英語のカリスマ講師だった金ピカ先生は、時代の寵児であった。それだけに、彼の孤独死は日本中に衝撃を与えた。

 9月26日、10月7日に『週刊現代』に掲載された追悼記事は、8月末に生前の金ピカ先生の都内自宅を訪ねて取材したものだという。記事によると、80年代の予備校最盛期の中でも彼の存在はズバ抜けていたという。緻密で理論的な英語指導で受講生から絶大な人気を得て、クラス1回の講義料は90分で200万円、年間2億円以上の収入を得ていた。そして、90年代前半に知名度を利用し、予備校講師からタレントに転職したそうだが、タレントとしての彼の人気はデビュー間もなく鎮火し、収入は講師時の100分の1以下に激減してしまったという。

 しかし、彼は“金ピカ”時代の浪費癖から抜け出せず、毎日の食事は高級ホテルに出向き、移動は常にファーストクラスだったと、それらの記事は報じている。果てや知人に自宅を売り払い、その金で高級外車を買おうとした。そんな放蕩振りを見かねた妻は2017年頃突然家を出て行き、それから孤独死まで引きこもりの余生を送っていたという。

 かつて年収2億円の経済力があったにも関わらず、浪費癖がたたり気が付けば、築いた財産は全て使い果たし一文無しになっていた。同記事のインタビュー当時、羽振りの良かった現役時代の面影を失い痩せ細り、電気代もガス代も払えず生活保護を受けていたという。この記事を受けて、ネットでは「年収2億円から生活保護とはどういうわけ?」と彼の最盛期と晩年のギャップを自問する趣旨の書き込みが数多く見かけられた。

 財産を使い果たすまでにならなくとも、一度身についてしまったバブル的な金銭感覚は変えられないという。『マイナビウーマン』(毎日新聞社)は2015年12月11日付の社会人男性を対象としたアンケート記事で、「バブル世代」と「今の世代」の金銭感覚の違いが顕著な消費行動トップ10を掲載した。第1位は「デート代」。バブルな男性は「デート代は男性が払う」のが当たり前な一方で、今時の男性は「ワリカン」。第2位は「交通費」と「洋服代」が同時にランクイン。バブル組はマイカーの名残で移動はタクシーに乗りたがり、洋服はブランド物の所持率が高くギラギライメージ。反面、今時組はファストファッションで移動は公共交通機関が主。

 変えられないのは金銭感覚だけではない。バブルを経験した40代や50代の女性のファッションや価値観も負の遺産を引きずる。『Oggi.jp』は2019年2月1日付けの記事で、バブル時代に“ハジけた”彼の母親から、今時の女性が浴びせる「ええっ!?』と驚く発言として、「若いのに地味すぎる」とTHE・バブル的なハイブランドの派手なファッションやアクセサリーを押し付ける、プチプラコスメじゃ「安っぽい女になるわよ」と蔑視、さらに「シャンパンも飲めないの?」とそれを飲むことがステータスと思い込む、等を挙げている。

 バブル期は派手な金銭感覚が正当化された時代だが、バブル崩壊後30年経った今では、その感覚は時代錯誤と映る。当たり前だと思っている消費嗜好を見直さないと、取り返しのつかないことになるかもしれない。

文:作家 大内華衣

記事内の引用について
・週刊現代 ”追討 予備校講師「金ピカ先生」が我々だけに語った「最後の言葉」「生きていても意味がないから」”
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67424

・週刊現代 “「金ピカ先生」はなぜ絶望の中ひとりで逝かねばならなかったのか
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67617

・マイナビウーマン ”男性に聞いた! 「バブル世代」と「今の世代」で金銭感覚のちがいがよく出るもの10”
https://woman.mynavi.jp/article/151211-29/

・Oggi.jp ”いずれ義母になるかもしれない「バブルママ」が放つおせっかい発言3”
https://oggi.jp/434454

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