教育業の労働時間増加、疲労蓄積度も高水準…過労死防止対策白書

教育業の労働時間増加、疲労蓄積度も高水準…過労死防止対策白書

月末1週間の就業時間別の雇用者の割合

 厚生労働省が10月7日に公表した平成28年版過労死等防止対策白書によると、1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合は全体ではゆるやかに減少しているものの、教育・学習支援業においては、5年前と比べ増加していることが明らかになった。

 平成27年度年次報告である白書によると、1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の業種別の割合は、「運輸業・郵便業」18.3%、「建設業」11.5%についで、「教育・学習支援業」が11.2%と3番目に多かった。60時間以上の割合は平成22年と比べて多くの業種で減少しているものの、教育・学習支援業では5年前の10.7%と比べて増加していた。

 平均的な1週間あたりの残業時間の業種別平均では、「運輸業・郵便業」9.3時間についで「教育・学習支援業」が9.2時間と多かった。また、その残業時間が20時間以上と回答した「教育・学習支援業」での割合は12.8%。教員の勤務時間については、平成26年に6月に公表されたOECD国際教員指導環境調査においても、1週間あたりの勤務時間が参加国中で最長とされている。

 「教育・学習支援業」については、1か月間の勤務の状況や自覚症状に関する質問により判定した疲労の蓄積度が「高い」「非常に高い」と判定された割合が38.9%と、業種別2番目に多かった。平成26年度中に病気休職処分となった教職員は8,277人で、そのうち精神疾患による病気休職者数は5,045人となり、平成19年度以降5,000人前後で推移している。

 文部科学省はこうした状況を踏まえ、労働安全衛生管理の知識や方策などを記載したリーフレットの配布や、教職員のメンタルヘルス対策についての取組みを推進。学校現場における業務改善の取組みとしては、平成27年7月に「学校現場における業務改善のためのガイドライン」を公表し、教員と事務職員などとの役割分担や校務の効率化などを促す。また、大学・高等学校などへ労働関係法規の講師を派遣し、労働条件に関する啓発に取り組んでいる。

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