【発達障害4】診断に半年待ち?相談の仕方や療育施設をアドバイス

【発達障害4】診断に半年待ち?相談の仕方や療育施設をアドバイス

元気キッズ 保育園のようす 画像提供:SHUHARI

 児童発達支援事業所を運営していると、さまざまな相談を受けます。すでに発達障害の診断をされている方もいれば、違和感を感じているがどこに相談すればわからないという方もいらっしゃいます。最近では、「診断を受けるのも半年待ちだと聞いたのですが、本当でしょうか?」という質問も多い状況です。

 我が子の発達に違和感を持ったとき、どこに相談したらよいか、どのように行動していけばよいのでしょうか。そこで、コラム「発達障害」第4回では、まず発達に関して心配になったらどこに相談するべきかをご紹介します。

◆発達に凹凸を感じている段階

<0歳〜2歳児の間>
1、定期検診での相談
 まず、一番身近に相談できる機関は、お住まいの自治体の定期検診です。たとえば、生後8か月あたりにある検診、1歳半検診、3歳検診、就学前検診など。こちらで、いま不安に思っていることをまず保健師や担当の方に相談してみましょう。必ず相談に乗ってもらえます。

2.保健センター
 お住まいの自治体には、必ず保健センターがあります。そこには保健師さんが常駐しており、日によって臨床心理士や、言語療法士などの専門家も定期的に来ています。お子さまの発達状況について、気になる点をまず相談されるとよいです。

<3歳児〜未就学児>
 このころになると、保育園や幼稚園などに入園している場合が増えてきます。まずは園の先生に気になる点を相談しましょう。家庭の状況と施設内の姿に差があることもありますので、もしかしたら気にしすぎなこともありますし、また、ご家庭では気づかなかった問題点も見えてきます。

 所属先の先生からも困った点が出てきた場合、次に相談するのは、やはりここでも自治体の保健センターや、自治体によっては子育て支援課のような、子育て全般に関わる部署に相談をされるとよいでしょう。保健師さんや療育担当につながります。

◆発達の凹凸を認めていて、具体的な療育を一刻も早く行いたい段階

 冒頭で述べたとおり、発達診断を受けるために、半年以上待つという話は、残念ながら本当のようです。しかし、周りの子にくらべて明らかに落ち着きがない、言葉がゆっくり、こだわりが非常に強い場合、発達障害を疑うと思います。そういう場合は、専門機関による発達診断を受けなくても通うことができる「療育施設」に通うという選択肢が出てきます。療育とは、社会的に自立できるよう促すため、発達障害などの障害を持つ子どもに、医療サービスや適切な保育、訓練などを行うことです。

 具体的にどのような施設があるのか説明します。

1、自治体主催の教室
 保健センターなどで月1回程度の親子で発達に疑いがある子どもたちが過ごす教室が開かれています。まずはそこに参加してみるとよいでしょう。

2、各自治体の療育施設
 各自治体には、具体的な療育を受けられる施設が必ずあります。自治体から認可を受けている施設と、受けていない施設について説明します。

<自治体から認可を受けている施設>
 児童発達支援センターや、児童発達支援事業所など。センターは大規模で、事業所は10名定員程度で行われている場合が多いです。利用料金は、1回利用ごとにおおむね1,000円程度の負担になります。また、負担上限金額もあり、ご家庭の所得に応じて3段階に分かれています。

例:
区・市民税非課税世帯:0円
区・市民税所得割額が28万円未満の世帯:4,600円
区・市民税所得割額が28万円以上の世帯:37,200円(年収が約890万円以上)

 平均的な年収のご家庭であれば、月に何度利用しても4,600円で施設をご利用できます。利用施設が2つ以上の場合も、A施設で4,600円以上の利用があれば、B施設では0円となります。

 このような施設に通わせる場合は「通所受給者証」が必要になります。通所受給者証を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。

 ・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている児童
 ・難病患者等および児童発達支援の必要性が認められる児童

 すでに手帳を持っている方は療育を必然的に受けていますが、発達障害の疑いの場合は、必要性を証明する必要があります。そこで、かかりつけの小児科の先生に「療育の必要あり」という診断書を書いてもらいましょう。発達障害の専門医でなくても、まったく問題ありません。

 診断書を持って、お住まいの自治体に相談すると、次に「障害児相談支援事業所」を紹介され、そこで障害児の心身の状況や環境、障害児または保護者の意向などを踏まえて「障害児支援利用計画案」の作成を行います。ここで、療育が月に何日必要かどうかを話し合いのうえ、決めていきます。

 次は、その計画案を持って、相談支援事業所と利用予定施設とで調整を行います。利用が決定した際は、決定内容に基づく「障害児支援利用計画」の作成を行います。利用者は通所受給者証に記載されている必要日数分、希望施設での療育を受けられるようになります。

<自治体から認可を受けていない施設>
 認可を受けていない、私塾のような施設もあります。自治体から認可を受けていない施設の場合は、各施設によって料金は大きく変わります。必ずご自身で確かめてからご利用されることをお勧めします。

◆児童発達支援センター、事業所の在り方は多種多用

 平成25年4月1日より「障害者総合支援法」が施行され、事業所単位でさまざまな療育施設ができてきました。筆者は、大まかに3つに分類しています。

<個別療育型>
 具体的な療育を行う施設を指します。具体的には、言語療法士による言葉の療育、作業療法士や臨床心理士による得手不得手の認識とそれに伴うトレーニング、学習塾のようなプログラムで時間単位で行うタイプなど。子どもに何をしてあげたいか具体的な目的がある場合に効果的です。

<母子通所型>
 自治体で以前からよく行われている形が、母子で一緒に施設へ通い、子どもの発達の凹凸を保護者とともに療育を行うタイプです。母親自身の療育に対する知識と経験が高まり、子ども自身も落ち着いて療育を受けることができます。

<母子分離型>
 母子通所型でも、月齢が上がると週に1回程度、母子分離の時間を増やしていく施設です。しかし、完全に母子分離で療育を行うセンターはまだまだ少ないでしょう。集団生活に移行するにはまだ難しいと思われた場合は、母子分離の機会を子どもに与え、集団生活を学ばせる良い機会になります。反面、保護者の療育への知識と体験が乏しくなる可能性もあります。施設と保護所の、定期的な面談が必須です。

 以上のように、どのような療育を受けさせたいかによって、通う施設が変わってきます。しかしながら、そういった施設の情報はまだあまり体系的にまとまっていないのが現状で、どこにどんな施設があるのか、わかりづらいという状況です。まずは、自治体の窓口に通える施設の情報を聞くことが一番です。

 もし気になることがあった場合は、まずは自治体の窓口にご相談されることで、必要な支援が受けられます。ぜひとも勇気を出し、相談へ行ってみてくださいね。
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 耳にすることも多くなった、子どもの「発達障害」。コラム「発達障害」では、全6回にわたり、未就学期における子育てや育ちの環境について、おもに発達の遅れや偏り、「発達障害」の側面から、その特徴や具体的な関わり方について紹介する。

著:株式会社SHUHARI 代表取締役 中村敏也
 1977年7月埼玉県生まれ。明治大学経営学部卒業後、企業勤務の傍ら待機児童問題に興味を持ち、保育学や法制度を学ぶ。2004年9月、埼玉県志木市にて「保育園 元気キッズ 志木園」を開園。以降、地域のニーズに対応しながら小規模保育事業、認可保育所、児童発達支援事業へと展開を拡げる。2017年1月現在、志木市・新座市・朝霞市内に7施設を運営。2018年度には埼玉県内初の小規模保育事業と児童発達支援の複合施設を開園予定(埼玉県・朝霞市)。新座市子ども子育て会議委員。

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