子どものスポーツ活動、ためらう理由は「保護者の負担」

子どものスポーツ活動、ためらう理由は「保護者の負担」

スポーツをしていない理由 (c) 笹川スポーツ財団

 子どもがスポーツ活動をしない理由に「保護者の負担」をあげる母親が多いことが7月18日、笹川スポーツ財団が実施した調査の速報値結果から明らかになった。一方、実際にスポーツ活動をしている子どもの母親は、「負担感」よりも「やりがい」を多く感じていた。

 「小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究」は2月、第1子が小学1〜6年生の母親を対象にインターネットで実施した。第1子の属性が各学年男女400名ずつになるよう回収し、有効回答数は2,368名。

 子どもがスポーツ活動をしていない子どもの母親に対し、その理由をたずねた結果では、「送迎や付き添いの負担が大きいから」が53.8%ともっとも多く、「費用の負担」や「保護者の係や当番の負担」など、保護者の負担に関する項目が上位にあがった。

 高学年では、「子どもが習い事をやりたがらない」「スポーツ以外の習い事や塾に通っている」など、子ども本人の意思にかかわる項目が上位にあがったが、低学年では「保護者の負担」に関する項目の数値が特に高かった。

 クラブや教室など団体に所属して、定期的にスポーツ活動を行っている子どもの母親に対し、母親と父親のどちらが熱心にかかわっているかをたずねた結果では、「父親の方が熱心」26.4%に対し、「母親の方が熱心」は73.7%にのぼった。

 子どものスポーツ活動に関して、実際に母親が関与していることでは、8割以上が「ユニフォームや練習着の洗濯」「子どもの送迎」、6割以上が「練習の付き添い・見学」と回答。民間のクラブや教室より、地域のクラブに子どもが所属している母親の方が、保護者のかかわりは多い傾向にあった。

 スポーツ活動をしている子どもの母親に対し、実際に自身が行っている支援への「やりがい」や「負担感」の程度をたずねたところ、「自主練習につきあう」「大会や試合に付き添う」「ルールを勉強する」は約8割が「やりがい」があるとし、「負担感」は約3割にとどまった。「負担感」が高いのは、「送迎」「活動場所の手配や予約」などであった。

 子どものスポーツ活動を通した母親自身の変化では、「子どもが成長したと感じることができた」が85.9%ともっとも高かった。「保護者同士で仲良くなれた」や「スポーツに興味・関心を持つようになった」など好ましい変化をあげる母親が4割を超えたほか、「自由に使える時間が減った」「家族での旅行や外出がしづらくなった」という回答も4割以上あった。

 笹川スポーツ財団スポーツ政策研究所の宮本幸子研究員は「スポーツ活動をしている子の母親は『ささえる』行動にやりがいを感じている一方で、スポーツ活動をしていない子の母親にとっては、そうした行動に対する負担感が参加をためらう理由となっている状況が浮かび上がった。多様な家庭の子どもを参加可能にするためには、地域スポーツの施策やクラブの運営において、保護者の役割を見直すこと、あるいはOG・OBや保護者以外の地域住民も協力しやすい仕組みを構築することが必要であろう」とコメントしている。

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