コロナ感染者数減少も「弱毒化」確認できず油断は禁物

コロナ感染者数減少も「弱毒化」確認できず油断は禁物

コロナ感染者数減少も「弱毒化」確認できず油断は禁物

新型コロナの新規の感染者数は全国的に減少傾向が続いています。経済活動の段階的な緩和を求める声も出始めていますが、ウイルスの「弱毒化」を示す変異は確認できていないなど油断は禁物のようです。

井上貴博キャスター:

新たな科学的なデータも入ってきましたので、海外と比較しながら話を進めていきます。

まずは7日、新たに発表された人数を含めた東京の状況です。

一番悪化していたのが2021年8月13日の5773人。そこから検査陽性者の数は10月7日現在143人まで激減しました。陽性率も24%だったものが2%を切るという激減です。

そして7日午後、モニタリング会議が行われました。それぞれレベルを1段階引き下げたということで、“医療提供体制”、そして“感染の状況”を1段階引き下げました。“医療提供体制”は上から2番目の“通常の医療が一部制限されている状況である”という2020年12月以来、約10ヶ月ぶりの段階です。

今のうちにできること、医療を拡充すること。そして次の波に備えるということになるわけですが、科学的なデータがいくつか示されたのが6日、厚生労働省のアドバイザリーボードです。

〈感染リスク(ワクチン未接種)について〉

それぞれ倍率で示されています。

▼マスクの種類

・布やガーゼマスク・・・1.45倍

・ウレタンマスク・・・1.66倍

▼会食での最大同席人数

・5人未満・・・1.4倍

・5人以上・・・2.16倍

▼会食以外

・屋内のイベント等・・・1.8倍

・屋外のイベント等・・・1.31倍

・デパートやショッピングセンター・・・0.73倍

・2人以上でのカラオケ・・・9.32倍

デパートやショッピングセンターなどは会話をしないからということなんでしょうか。こういったこともデータとして科学的に立証されてくると、対策を打ちやすくなるかもしれません。

6日、アドバイザリーボードの会見内容です。

記者「新型コロナウイルスは弱毒化したということはあるのか?」

厚労省「ゲノム分析では今のところ大きな変化はない。弱毒化しているという変異があるわけではない」

記者「感染リスクをどう解釈するのか」

厚労省「人と会うときは不織布マスクを正しく付けてください。大人数、長時間の会食は避けてください。ワクチン接種の前向きな検討をお願いします」

ホラン千秋キャスター:

岡田さん、このウイルスが弱毒化するという言葉をよく聞くんですけれども、どういう状態になると弱毒化というふうに言えるんでしょうか?

白鴎大学 岡田晴恵教授:

やはり、結論から言って「今弱毒化しているということではない」というのはウイルスのゲノムでわかっているということで、これは本当のことだと思うんですね。ただ、今ワクチン接種者が相当増えてきましたので、発症阻止や重症化阻止っていう効果が出てきて、やはりそういう意味では、私たちの体の中のワクチン免疫効果によって病気になりにくい、重症化になりにくいということで、私たちにとっては病気として弱毒化しているように見えているのかもしれませんね。

ホランキャスター:

弱毒化というのは、感染しづらいっていうことを言うんですか。

岡田教授:

どちらかというと感染力が弱いということもあるが、発症率や重症化率、致死率が下がってくるっていうのを相対的に考えて、弱毒化したということになるんでしょうけども、今現在なっているわけではないということだと思いますね。ウイルス的には、ということですね。

ホランキャスター:

森永さん、そうするとウイルスは変わっていないというふうになりますと、こういったリスクが高い行動、それからそうでない行動どんなものがあるのかということをデータで示していただいて、自分たちで対策していくということが大事ですね。

獨協大学経済学部教授・経済アナリスト 森永卓郎さん:

先ほど岡田先生が新たな変異種が出てきたときがまた第6波の原因になるだろうとおっしゃってたんですけど、岡田先生、変異株もこの対策でいいんですか。

岡田教授:

変異株は、もうそれしかやりようがないということになるわけですよね。ですからやはり換気とか、人混みを避けるっていうことが基本的なことなんですけども、多くのウイルスを吸い込まないような状況を作っていくっていうことが大事だというふうに思います。

井上キャスター:

ワクチンは、感染は防げない。だけど重症化を防ぐということで、そのワクチン2回接種について世界(主要国)の状況です。

日本は2回接種完了者61%まで来ました。相当なスピードアップ。諸外国はこのあたりで頭打ちになりがちなところ、スピードはあまり落ちていません。

(ドイツ64.15%、イギリス64.01%、フランス66.20%、イタリア68.39%、アメリカ55.24%、韓国53.07%)

一方、カナダはワクチン接種義務化などを推進しまして、71%を超えている。

そのカナダの状況です。ワクチンを打っても感染はしますので、検査陽性者が増えるというのはある意味自然なこととも言えます。

〈カナダの週合計の陽性者の人数とワクチン2回接種率〉

ワクチン接種率が伸びているカナダ。ワクチン接種率が増えれば日本と同じように陽性者数は減っている状況です。

一旦は検査陽性者がぐっと減る。しかしその後、やはり感染はしますので、感染は防げませんので、検査陽性者はある程度増えていくということになります。

陽性者の人数は1週間平均のものを出しています。

週合計の目安をご覧いただければと思いますが、カナダは人口だいたい日本の3分の1です。あとマスク着用率なども全く違いますので一概には言えないんですが、やはり日本も検査陽性者の次の波は来ると考えるのが自然であろうと。その中で重症化をどう防いでいくのか。

〈東京の週合計の検査陽性者の人数とワクチン2回接種率〉

カナダと同じようにワクチン接種率が上がっていくのと同時に、反比例の形で検査陽性者が減っている。もちろんこれだけが要因ではないと言われていますが、季節性など様々な要因もあってということ、これも分析が求められます。

東京都の対策です。ようやく出てきました。病床を強化していこうと。

5日 小池都知事は都議会で・・・

「“即応体制”を構築するため患者を受け入れる病床に加え、臨時の医療施設について、着実に整備することが重要である」

具体的な数字などは特に示されていないようです。

あとは3回目のワクチン接種について5日、堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣は次のように発言しています。

「12月から追加接種することを想定して、自治体に接種体制を確保してほしいとお願いしているところ」

ホランキャスター:

岡田さん、こういった医療状況の改善、病床の確保といったところは具体的に何か「進んでいるな」という部分は感じますか。

岡田教授:

いや、私は今ようやく臨時の医療施設を拡充ということが出てきたっていうのは「やっとか」っていう意味なんですよね。1か月前にもこの話はあったことです。今の既存の病院で病床を確保するとなると、手術延期したりとか、なかなか入院できないとか、他の医療を逼迫することにもなるし、そういう意味では医療従事者もすぐ減る、増えるわけではないので、やはり集約的な病院をつくっておくっていうことは、今年の冬のインフルエンザが来るかもしれない。もしくは変異株も来るかもしれない。それから、海外ではワクチン接種率が上がっても、感染者数は抑えられるんですけど死亡者がちょっと増えたり重症化が増えたりっていう事象もありますので、やはり医療の確保、今のうちやっておくっていうことが、去年も同じことをこの時期に言いましたけども、年末年始に向けてやっていくっていうことが大事で、そこは行政にお願いしたいと思います。(07日16:47)