【解説】今季はインフルエンザ大流行の可能性 インフルワクチンいつ打てばいい?

【解説】今季はインフルエンザ大流行の可能性 インフルワクチンいつ打てばいい?

【解説】今季はインフルエンザ大流行の可能性 インフルワクチンいつ打てばいい?

感染症の専門家がインフルエンザについて「昨シーズン流行がなかったため、その分免疫が落ちている。今シーズンは大流行の可能性も」として、インフルエンザのワクチンについてもできる限りの接種を呼びかけました。

コロナのワクチンを打った後に、インフルエンザのワクチンを打ってもいいの?コロナのワクチンを打てば、インフルエンザにも強くなるの?など、コロナ禍が続く今シーズンの秋冬、気になるインフルエンザについて専門家に聞きました。

■今シーズンはインフルエンザが大流行の可能性

上村彩子キャスター:

今年の秋から冬にかけて新型コロナウイルスの感染状況はどのようになるのでしょうか?9月8日の厚労省の専門家会議「アドバイザリーボード」では「対策の緩和を急ぎ、人と人との接触が増えることで、秋から冬にかけて今よりもさらに厳しい感染状況になる可能性がある」と指摘がありました。

さらに、アドバイザリーボードの脇田隆字座長は、例年秋から冬にかけて感染が広がるインフルエンザについて「去年(2020年〜2021年シーズン)流行していないということは、それだけ免疫が落ちている。来年(今シーズンの年明け)大流行する可能性もある」と言っているんです。

では実際、2020年〜2021年のシーズンにはインフルエンザにどれぐらいの人が感染したのでしょうか。例年、インフルエンザは1月頃から感染が増え始めて、1月から3月がピーク、春になると落ち着いてくるというものなんですが、2020〜2021年シーズンは東京ではシーズンの始めから終わりまでほぼ“ゼロ”。流行はなかったとされています(東京都健康安全研究センターより)。

ホラン千秋キャスター:

ある年に流行がないと、その次の年に皆さんの免疫が落ちているのではないか、ということなんですが、そういうものなんですか?

国際医療福祉大学 感染症学講座主任教授 松本哲哉医師:

こういう流行性の感染というのは、例えばインフルエンザのように、ある程度毎年流行することによって、一定の人たちが免疫を持つことになるんですね。そうすると次の年に流行が起こったとしても、免疫をある程度持った人がいる中での流行になるので、極端な流行は起こりにくいんですけど、2020〜2021シーズンは、ほとんど感染者が出ませんでした。うちの病院でも1例も出ていないんですね。そこまで感染者がいないと、多くの人たちは今回のインフルエンザに関しての免疫を持っていないことになってしまいますので、そうするとこれからもし流行り始めると、免疫がない状態でインフルエンザが流行するということになるので、やっぱりそれは感染者の数も相当増える可能性は十分あると思います。

ホランキャスター:

新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行した場合、どのようなことが考えられるんでしょうか?

松本医師:

両方とも呼吸器系のウイルスですので、もし同時に感染してしまうとどちらか一つ感染するよりも重症化しやすいと思いますし、やっぱり本当はなるべく同じタイミングで流行しない方がいいと思います。

井上貴博キャスター:

これからの季節というのは様々な疾患が増えていく。日本では1日だいたい3000人が亡くなると言われていて、そのうち1000人が、がんで亡くなると言われている。別にコロナウイルスを過小評価するということでは全くなくて、コロナのリスクをどう適正に判断していく努力をするのか、これは私たち報道も反省と改良を続けなければいけないと本当に思っているんですが。全体に常にアップデートをしなければいけないと思っているんですけど、そのあたりはどうお考えですか。病気はコロナだけではないですし・・・。

松本医師:

おっしゃる通りですね。結局、コロナはある程度うまくやれば、もちろんワクチンを拡げた上で抑え込める感染症になっていくと思うんですけれど、例えばもちろんそれによって、がんの患者は無視していいのかってそれは当然がんも、それ以外の病気もちゃんとケアしなきゃいけない。結局有限な医療資源をきちんと適切に配分しないと、あまり“こっちばっかりやれ”って言ったらこっち側(それ以外)が手薄になるし。そういう意味でバランスが必要だと思います。客観性を持って、ある意味冷静にコロナ対応をやるところはコロナ対応をやって、他のところはなるべくおろそかにならないような配分というのを考えていかなきゃいけないとは思います。

■今シーズンはインフルエンザワクチンの供給が遅れる見込み

【インフルエンザワクチン】(厚労省資料より)

▼昨シーズン

供給量 3342万本

使用量 3274万本

▼今シーズン

供給量 2567万本〜2792万本

使用量 ???

上村キャスター:

インフルエンザのワクチンについて見ていきましょう。まずは昨シーズン(2020〜2021)です。供給量は3342万本、これは約6300万人分にあたります。去年の接種、こんな事態も起こってしまいました。新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されて、10月1日から65歳以上の高齢者などが優先接種、そして10月26日から、それ以外の人が接種となりました。このことで、希望者が増えて予約が取れないというケースもありましたよね。

では、今シーズンはというと供給量は2567万〜2792万本と見込まれています。この数字は例年よりも2〜3割少ない数字なんです。しかし、厚労省は「例年の使用量に相当する程度が供給される見込み」としています。ですが心配な点はこちらです。「昨シーズンよりも供給ペースが遅れる予定」だということが発表されています。

■「いつまでに打つべき?」「打った方がいい人は?」

上村キャスター:

ではここからは松本先生に、素朴な疑問に答えていただきます。インフルエンザのワクチンはいつまでに打つのが理想でしょうか?

松本医師:

インフルエンザの流行は例年通りであれば、だいたい11月の後半ぐらいから立ち上がってきます。なので11月ぐらいに打っていただければ、ある程度十分それ以降の流行には対応できると思います。ただ1月、2月が本当にピークになりやすいので、11月までに打てなくても、例えば12月あるいはもう少し遅れても、打てるのであれば打っておいた方がいいと思います。

ホランキャスター:

どんな方が積極的に打っておいた方がいいのでしょうか?

松本医師:

インフルエンザの場合はやはり重症化しやすいのはお子さんと高齢者ですね、やはりこういう方たちはしっかり打った方がいいと思います。コロナはどちらかというと高齢者ばっかりでしたけど、インフルエンザに関しては小児はしっかりワクチンを打っておいた方がいいと思います。

上村キャスター:

続いての素朴な疑問です。新型コロナウイルスのワクチンとインフルエンザのワクチン、接種の間隔を空けるべきでしょうか?空けるとしたらどれぐらい空けるべきでしょうか?

松本医師:

今言われているのは基本的にはコロナワクチンを打った後、2週間は他のワクチンは控えておいてくださいということなので目安は2週間だと思います。

上村キャスター:

もう一つの疑問です。新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した人はインフルエンザもかかりにくかったりしますか?

松本医師:

これはないですね。全然別のウイルスですし、交差反応性もないので、コロナワクチンを打ったからといってインフルエンザへの影響はないです。

■ワクチン供給の遅れや供給量が少なくなりそうな理由とは

井上キャスター:

厚労省は今回インフルエンザワクチンの供給ペースが遅れると言っているということなんですが、なぜ遅れそうなんでしょうか?

松本医師:

これはですね、一つの企業の生産体制がちょっと遅れてるんですね。それと、多分いわゆるウイルス株も増殖しにくいようなものがもし選ばれてしまうと、それは供給がずれ込んでしまうというふうなこともあるので、すごく大きなトラブルがあったというよりは、ちょっとずれ込んでしまうということだと思います。

井上キャスター:

供給量が昨シーズンより少ないというのはどう見ればいいでしょうか?

松本医師:

これはですね、ある意味コロナのワクチンに向けての生産体制でちょっとシフトしている部分もあったりするでしょうし、去年ほとんど出なかったわけですよね。だから今年の数字がどれぐらいなのかちょっと読めないというのもあって、これぐらいあれば十分なんじゃないかという見込みだと思います。

井上キャスター:

企業側にも相当負荷がかかっていると。

松本医師:

そうですね。

(2021年9月9日放送 Nスタ)

(14日16:04)