「幽霊が家に」「変な夢見た」 驚きの“不要不急”の110番

「幽霊が家に」「変な夢見た」 驚きの“不要不急”の110番

「幽霊が家に」「変な夢見た」 驚きの“不要不急”の110番

1月10日の「110番の日」にあわせ、警視庁が110番通報を受理する通信指令センター(千代田区・霞が関)の様子を公開した。約20秒に1件が寄せられるという110番通報。中には驚くような“不要不急”な通報も。

■寄せられる110番通報は…約20秒に1件

「はい、110番、警視庁です。事件ですか。事故ですか」通信指令センターには1日平均4500件、約20秒に1件の割合で110番通報が入る。人の命に関わるものであれば1秒も無駄にできない。担当者は電子ペンを使い、通報内容を素早くパネルに書き込む。メモは警視庁の全警察官が携帯するスマホにそのまま表示される。

■情報の「集積地」 事件捜査につながる緊張感

例えば「歌舞伎町で殺人事件発生」という通報を受けた場合、地区を管轄する新宿警察署に無線などで指示を出す。110番通報は、捜査の端緒情報ともいえる。痴話げんかなのか、それとも深刻なストーカー事件なのか…。現場に正確な情報を伝えなければならない。一瞬のミスがその後の捜査の失敗を招くことになる。若手からベテランの誰もが、通報内容に全神経を集中させている。

■リアルタイムで状況把握 最新のシステムとは

指令センターではパトカーの位置情報システムや、ヘリコプターの空撮映像などを駆使し、刻々と変わる事案の状況をリアルタイムに把握している。都内の通報件数は2021年で約163万7000件にのぼる(前年比約6万6000件増)。西部にある多摩地区の通報は、立川市にある多摩指令センターが受理する。110番の通報制度が出来たのは1948年、74年の歴史を持つ。

■世相が反映される110番

最近では「人の声がうるさい」などの騒音に関する通報が急増している。前年比約2万件増の21万件にのぼる。新型コロナによる外出自粛などで在宅時間が長くなり、周囲の話し声などに過敏になる機会が多くなったためとみられる。一方で、酔っ払いに関する通報数は減少しているという。

■これって事件?「パソコンの調子が悪い」

警視庁が頭を悩ませているのが“不要不急”の通報だ。

「パソコンの調子が悪い」といった通報に対し、警察官はなすすべがない。ただ、警視庁によると無下に電話を切ることなどはしないという。通報者にとっては深刻な問題かもしれないからだ。そういう時は、「専門店に相談してみて下さい」と親切に対応することもある。道案内の問い合わせには「交番などに相談してください」と回答する。第三者からすると微笑ましい光景に見えなくはない。しかし、不要不急の通報は笑って済ませることのできない問題と化している。2021年は約27万7000件と総入電件数の約17%を占め、前年と比べて約2万5000件増だったという。

■衝撃の…“不要不急の通報集”

担当者の頭を悩ませた実際の通報を挙げてみる。

「用事はないです。試しにかけただけ」…人恋しくて話し相手が欲しくなるときは誰にでもある。気持ちは分かるが、110番通報するのは控えたいものだ。

「体がかゆいから、警察官にかいてもらいたい」…自分でかいた方が気持ちいいかもしれない…。

▼「変な夢を見たので家の周りの巡回を強化してほしい」

▼「体がかゆいから、警察官にかいてもらいたい」

▼「今日は何曜日ですか」

▼「テレビのボリュームの上げ方が分からない」

▼「幽霊が家に入り込んだようだ」

▼「用事はないです。試しにかけただけ」

▼「家が雨漏りしている」

▼「今日って検問やっていますか」

▼「霊的勘で、友人宅に死体がある気がするから見て来て」

▼「学校の願書を取り寄せる方法を教えて」

■“ウソ通報”は摘発されることも

2021年、「歩行中に自転車にぶつけられた」というウソの通報を何度も繰り返した男がいた。男は通信指令本部などの業務を困難にさせたとして、偽計業務妨害の疑いで逮捕された。悪質ないたずらの通報も含め、少なくとも8件が摘発されたという。

■心配事は「#9110」!

警視庁の担当者は「“不要不急の通報”やいたずらなどが相次ぐと、緊急度が高い通報に対応できなくなったり、対応が遅れたりする可能性がある。悩みごとや心配ごとについては『警察相談ダイヤル#9110』に電話をしてほしい」としている。

TBSテレビ社会部 警視庁担当

柏木 理沙 (11日20:00)