オフィス家具、個人購入が急増…テレワークや企業移転でリユース品が人気

オフィス家具、個人購入が急増…テレワークや企業移転でリユース品が人気

不用品として回収した椅子のリメイク作業をするトライシクルの福田社長(3月29日、千葉県富津市で)

 新型コロナウイルスの感染拡大後、経営環境の悪化やテレワークの推進で、オフィスを移転、縮小する企業が相次いでいる。使わなくなった机や椅子は業者によって回収され、在宅勤務をする人に売却されたり、リユース(再使用)品として海外に輸出されたりしている。

■売れ筋3万円台

 千葉県柏市。中古家具販売「オフィスバスターズ」の倉庫(約1万1550平方メートル)には、デスクや椅子など約2万点が並ぶ。コロナ禍の昨年は、企業からの買い取り件数が前年より約3割増えた。

 オフィス仲介大手「三鬼(みき)商事」によると、2月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は12か月連続で前月を上回り、5・24%になった。

 オフィスバスターズでも、都心から撤退するなどした企業から買い取った品が多い。その販売先は以前、大半が法人だったが、コロナ禍後は個人客の売り上げが急増し、2月は前年同月比の約4倍に上った。

 自宅勤務の際、長時間座っても疲れにくい椅子を探す客が多く、蒸れにくいメッシュ素材の背もたれや、腰痛防止の腰当て、ヘッドレスト付きが人気。売れ筋は1脚3万〜3万5000円くらいだという。

 先月30日、同社錦糸町店(東京)を訪れていた建設設計会社社員、藤井直斗さん(27)は「4月から週の大半が在宅勤務になるので、体にフィットする椅子を探している」と言って、座り心地を試していた。

 オフィスバスターズの大崎博史執行役員(36)は「家で仕事をするスタイルが浸透しつつあり、個人客の需要はさらに増えそうだ」と期待する。

■タイ輸出

 本社移転した企業や、廃業した飲食店から回収した不用品を海外に輸出する会社もある。

 「トライシクル」(品川区)は主に首都圏で、棚、ロッカー、食器などを無料で回収。トラックで同社のリサイクルセンター(千葉県富津市)に運んで洗浄したり、修理したりした上で、企業・店舗向けオークションに出品するなどしている。

 2019年下半期(7〜12月)に月平均541個だった回収数は、感染拡大後の翌年同期は1256個に急増。一方、リユース品を購入する企業や店が減っているため、昨年12月からタイへの輸出を始めた。

 福田隆社長(47)は「タイでは日本のテーブルやソファなどが喜ばれる。今後、東南アジアのほかの国や中東に販路を広げ、廃棄物の削減にもつなげたい」と話す。

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