昼間はベトナム料理店、夜は賭博場…コロナで窮乏した同胞を仕事紹介と共に勧誘

昼間はベトナム料理店、夜は賭博場…コロナで窮乏した同胞を仕事紹介と共に勧誘

シャッターを破って賭博現場の捜索に入る県警の捜査員ら(21日午前2時10分、松戸市で)

 千葉県松戸市内の飲食店内で違法な賭博を行ったとして、ベトナム国籍の男ら計29人が21日未明、常習賭博容疑や単純賭博容疑で千葉県警に現行犯逮捕された。ベトナム人同士の賭博を巡っては、誘拐や監禁事件に発展するケースが各地で相次いでいる。背景には、国内で賭博への取り締まりの緩さが指摘されており、県警が、東京出入国在留管理局と合同捜査を組み、犯罪の温床となっている賭博の一斉摘発に乗り出した。

 人の往来が消えた21日午前2時過ぎ、JR新松戸駅から北西300メートルほどの住宅と飲食店が混在する一角。「123ZO ベトナム料理」と書かれた雑居ビル1階の飲食店にヘルメット姿の捜査員が一斉に踏み込んだ。

 「触んな、触んな!」――。捜査員が命令する声が響く。店の周囲には100人規模の捜査員が集まり、未明の新松戸は物々しい雰囲気に包まれた。

 店は、昼間はベトナム料理店として営業しているが、夜になると、シャッターを閉め、ベトナム人しか入れない。そこは、賭博場に姿を変える。

 捜査員が立ち入った際、男らは床に座り、「ソックディア」と呼ばれるベトナムの丁半ばくちをやっていたという。サイコロなどを茶わんに入れて振り、出た目が偶数か奇数かを当てる賭博だ。

 胴元や参加した客はいずれも20〜30歳代の若いベトナム人。逮捕されたベトナム人は、捜査員に連れられ、1人ずつ、うつむきがちにマイクロバスに乗り込んだ。

 賭博は、SNSを中心に参加者を募っているとみられる。ベトナム人向けのフェイスブックには、仕事紹介と共に、「今晩もいつも通り21時から……」と賭博への誘い文句が並ぶ。

 賭博を巡っては、在留ベトナム人の間でトラブルが続発している。賭博場で借金をつくり、返済できなくなったベトナム人が、誘拐されたり監禁されたりして、祖国の家族が身代金を要求される事件が全国で相次いでいる。

 外国人問題に詳しい神戸大の斉藤善久・准教授(労働法)によると、コロナ禍で仕事を失ったり、仕事が減ったりしたベトナム人が「一発逆転」を狙って賭博に手を出すケースが多いという。日本国内における賭博への取り締まりの甘さも一因とみられ、斉藤准教授は「厳しく取り締まる姿勢を明確に打ち出すべきだ」と指摘している。

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