「トトロの森」守って30年…ボランティア高齢化で手入れ追い付かず

「トトロの森」守って30年…ボランティア高齢化で手入れ追い付かず

古民家「クロスケの家」で開かれた基金30周年の記念集会

 狭山丘陵の里山保全に取り組む公益財団法人「トトロのふるさと基金」(埼玉県所沢市)が23日、活動30周年を記念した集会を所沢市内の古民家「クロスケの家」で開き、狭山丘陵の里山保全活動の実績や今後の活動方針などを示した。

 1990年に前身の「トトロのふるさと基金委員会」から活動を始めた同基金は、宮崎駿監督のアニメ映画「となりのトトロ」の舞台とされる同丘陵の雑木林など地域の里山を保全するナショナルトラスト活動を通じて、同市や入間市など埼玉県内と東京都内5市1町で56か所(計約10・5ヘクタール)を取得し、「トトロの森」としてボランティアによる保全活動を続けてきた。

 集会では、90年代に進んだ宅地開発や残土処理場の乱立、ゴミの不法投棄など環境破壊が続くなかで保全を進めてきた意義や、リンドウなどの植物や小動物、ホタルなどの昆虫が守られてきた成果を強調。「地権者や地域の人々が30年の活動に一定の評価をいただき、理解してくれている」(荻野豊専務理事)とした。

 一方、ボランティアの高齢化や保全範囲の拡大による影響で、手入れが追い付かず、森や草地に光が届かない場所が出てくるなど現実的な課題も指摘。「次世代に活動を継承することが大事であり、かつ難しいこと」(同)と訴えた。

 2030年までの約10年間の長期構想も発表され、〈1〉新たな発想を加えた取得地管理の質の向上〈2〉狭山丘陵全域を視野に入れた保全マスタープランの策定〈3〉ナショナルトラスト活動を支える法律の整備・自治体との役割分担に関する条例の制定――などを目指す方針も示された。

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