不安で入社を決断できない・内定式掛け持ちも…就活さらに長期化

不安で入社を決断できない・内定式掛け持ちも…就活さらに長期化

テーブルを囲んで対話するベンチャー企業幹部と学生たち。社風を知る場となっている(10日、東京都内で)

 来春卒業する大学生の就職活動で、長期化が顕著になっている。コロナ禍でオンライン就活が拡大し、就職先に実感を持てない学生が増えたのが一因で、複数社の内定式に参加し、卒業直前まで企業探しを続けようとする学生もいる。社風や職場の雰囲気を、どうリアルに伝えるかが企業側の課題となっている。(木田滋夫、武石将弘)

 「いま一つ、この会社で働く実感が湧かない」。東京都内の私立大4年の男子学生(22)は、10月にオンライン内定式に参加した感想をそう語る。

 第1志望の大手銀行に落ち、納得感がないまま秋を迎えた。主にオンライン選考で内定を得た金融とITの2社に内定承諾書を提出。両社のオンライン内定式にも出席したが、実際に入社するかは決めていない。

 「将来に関わることなので、後ろめたさはあまり感じない。秋冬に募集する企業も多く、もっと志望に合う企業を探す」と、内定を持ったまま卒業間際まで就活を続けるつもりだ。

■■入社に不安

 19日に文部科学、厚生労働両省が発表した大学生の内定率(10月1日現在)は71・2%で、前年同期より1・4ポイント上昇。内定を得た学生の割合は、コロナ禍前に迫る高い水準だ。一方、就職情報会社マイナビの調査によると、内定を得た後も就活を続ける学生は、10月中旬時点で8・3%。これらの学生に就活をいつまで続けるかを聞くと、「12月末」が34・5%で最も多く、「来年3月末」も9・6%いた。

 背景にはオンライン就活の影響がある。一度も会社を訪れずに内定が出るケースもあり、学生からは「不安で入社を決断できない」との声も上がる。一方、あるメーカーの採用担当者は「内定式後にメールで辞退の連絡が来たこともある。内定の受け止め方があまりに軽い」と嘆く。

 採用コンサルタントの谷出正直さんは「コロナ禍で企業の内定取り消しが話題になり、自己防衛で複数の内定を抱える学生も多い。今や内定式に出席した学生が必ず就職するとは限らない」と指摘する。

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