中3男子刺殺、廊下に呼び出し「事前にネット購入」の包丁使用か…市教委「トラブル思い当たらず」

中3男子刺殺、廊下に呼び出し「事前にネット購入」の包丁使用か…市教委「トラブル思い当たらず」

中3刺殺 ネットで包丁購入か

中3男子刺殺、廊下に呼び出し「事前にネット購入」の包丁使用か…市教委「トラブル思い当たらず」

事件のあった中学校から下校する生徒ら(24日午後、愛知県弥富市で)=尾賀聡撮影

 24日午前8時頃、愛知県弥富市の市立中学校で、3年生の男子生徒(14)が、同学年の男子生徒(14)に腹部を包丁で刺された。刺された男子生徒は病院に搬送されたが、約2時間半後に出血性ショックで死亡した。駆けつけた警察官が男子生徒を殺人未遂容疑で現行犯逮捕。男子生徒は「やったことに間違いない」と容疑を認めており、県警は殺人容疑で調べている。

 県警や同市教育委員会によると、事件は、校舎2階にある3年生の教室の前の廊下で発生。2人は別のクラスで、当時は登校してきた生徒が1時間目の前に持ち物の整理などを行う時間帯だった。

 中学校では、生徒が自分のクラス以外の教室に入れない決まりになっており、県警は、男子生徒が刺された男子生徒を廊下に呼び出し、持っていた包丁で刺したとみている。包丁は刃渡り約20センチで、傷は内臓に達していた。

 捜査関係者によると、男子生徒は包丁について、「事前にネットで購入した」と話しているという。県警は、2人の間に何らかのトラブルがあったとみて調べている。

 男子生徒は刺された後、自力で教室に戻り、教室内にいた担任教諭から連絡を受けた別の教諭が通報。教諭らが他の生徒を避難させ、男子生徒の応急処置にあたった。刺した男子生徒は廊下にいたが、担任教諭に包丁を下ろすよう促されると暴れたり逃げたりすることはなく、駆けつけた警察官に逮捕された。

 事件を受け、市教委は午後2時過ぎから記者会見し、奥山巧教育長は「誠に悲しい事態になった。市民におわびし、ご遺族に心よりお悔やみ申し上げたい」と述べた。県にスクールカウンセラーの派遣を要請し、原因の究明に向けて弁護士や臨床心理士らによる第三者委員会を設置する方針を明らかにした。

 市教委によると、現時点で、2人の間に事件につながるようなトラブルは思い当たらないとし、10月に市教委が全校生徒に実施したいじめに関する無記名のアンケート調査でも、2人に関係する記述は見られなかった。

 二人は小学校が同じで、昨年度は同じクラスだった。刺された男子生徒は10月の体育祭の集団演技で活躍し、刺した男子生徒は部活動で頑張っていたという。

 午後7時頃からは、学校側が全校生徒の保護者向けに説明会を開いた。参加した保護者によると、事件の概要や心のケアなど今後の対応を中心に説明があり、教頭が「生徒を全職員で見守りながら授業を行う」などと話したという。

■学校での殺傷、後絶たず

 学校内で、児童や生徒が同級生らに殺傷される事件は後を絶たない。

 2004年6月、長崎県佐世保市の小学校で6年の女児が同級生の少女にカッターナイフで首を切られ、死亡した。少女は当時11歳で、県警が補導。家裁の審判で「交換ノートやインターネットでのやりとりを巡って殺意を抱いた」と認定された。

 新潟県長岡市の高等専門学校では11年、女子学生(当時16歳)が同級生の男子学生(同)にナイフで胸などを刺されて死亡した。殺人容疑で逮捕された男子学生は、女子学生に好意を持っていたとされる。

 刑法は14歳未満を処罰しないと定めており、13歳までは罪を犯しても逮捕されず、児童相談所に通告されたり、家裁で少年院送致などの決定を受けたりする。

 今回の事件で逮捕された男子生徒は14歳で、刑事罰を科すことが可能だ。家裁から検察官に送致(逆送)されれば、起訴されて刑事裁判にかけられる可能性もある。

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