心斎橋2人刺殺、無期懲役が確定へ…死刑判決「適用慎重に」

 大阪・心斎橋の路上で2012年、男女2人が刺殺された通り魔事件で、殺人罪などに問われた礒飛(いそひ)京三被告(44)の上告審判決が2日、最高裁第1小法廷であった。小池裕裁判長は「刑事責任は誠に重大だが、死刑は究極の刑罰で、適用は慎重に行わなければならない」と述べ、検察側、被告側双方の上告を棄却した。

 1審・大阪地裁の裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役とした2審・大阪高裁判決が確定する。

 今回を含め、裁判員裁判の死刑判決を高裁が破棄して無期懲役とした5件について、最高裁はいずれも無期懲役を維持。死刑適用に慎重な姿勢が鮮明になった。

 判決によると、礒飛被告は12年6月10日、大阪市中央区東心斎橋の路上で、音楽プロデューサーの南野信吾さん(当時42歳)とスナック経営の佐々木トシさん(同66歳)を包丁で何回も刺して殺害した。

 15年6月の1審判決は「犯行態様は執拗(しつよう)で残虐だ」と求刑通り死刑としたが、17年3月の2審判決は、計画性が低い点を重視して無期懲役としていた。

 これに対し、同小法廷は、計画性の程度が死刑適用の分かれ目であるかのように指摘した2審について「是認できない」と言及。だが、覚醒剤中毒の後遺症による幻聴が犯行の一因だったことや、場当たり的な犯行だったことなどを総合的に考慮し、「無期懲役が甚だしく不当だとは認められない」と結論付けた。

 上告審で、検察側は死刑を求め、弁護側は被告の責任能力を認めた2審判決の破棄などを求めていた。

 和田雅樹・最高検公判部長の話「主張が認められなかったことは誠に遺憾だが、最高裁の判断なので、真摯(しんし)に受け止めたい」

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