アフガンで銃撃、医師の中村哲さん死亡…正体不明の武装集団

アフガンで銃撃、医師の中村哲さん死亡…正体不明の武装集団

中村哲さん

 【カイロ=酒井圭吾】アフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードで4日、日本人医師で民間活動団体(NGO)「ペシャワール会」現地代表の中村哲さん(73)らを乗せた車が武装集団に銃撃された。州報道官によると、中村さんは病院で治療を受けたが、死亡が確認された。運転手ら5人も死亡した。

 現場目撃者への取材によると、中村さんが乗っていた車は4日朝、前方に割り込んできた正体不明の武装集団の車に無理やり止められた。車から出てきた4人が中村さんの車に向かって発砲し、逃走した。住民が駆け寄ったところ、運転手や警備員らは既に死亡していた。

 アフガン軍報道官によると、中村さんは州内の病院で治療を受けた後、首都カブール北方のバグラム空軍基地にヘリコプターで移送される途中、死亡した。中村さんの胸部付近の2か所に銃弾を受けた痕があったという。

 犯行声明は確認されていない。アフガンでは、旧支配勢力タリバンのほか、タリバンと対立するイスラム過激派組織「イスラム国」も頻繁にテロを起こし、治安は安定していない。タリバンのムジャヒド報道官は4日、ツイッターで関与を否定する声明を出した。

 中村さんは1946年、福岡市生まれ。九州大医学部を卒業後、84年、現地からの派遣要請を受けて、パキスタン北西部のペシャワルでハンセン病患者の診療を始めた。アフガンにも医療活動を広げ、2000年以降は大干ばつに見舞われたアフガンで、井戸や農業用水路の整備にも取り組んできた。1996年には第24回医療功労賞(読売新聞社主催)を受賞した。

 アフガン大統領府は4日、「我々の国に対する彼の努力に対し、国民はその貢献を忘れることはない。安らかにお休みください」とのガニ大統領の声明を発表した。

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