「町に貢献できる人間になりたい」…大震災被災地で成人式

「町に貢献できる人間になりたい」…大震災被災地で成人式

東北の大震災被災地で成人式

「町に貢献できる人間になりたい」…大震災被災地で成人式

成人式の記念撮影で笑顔を見せる佐藤柚希さん(前列左から2人目))(12日午後、宮城県女川町で)=武藤要撮影

 東日本大震災で被災した東北の各地で12日、成人式が行われた。死者・行方不明者計約800人の宮城県女川町では、復興のシンボルである横断幕のメッセージを考えた佐藤柚希(ゆずき)さん(20)が新成人代表として「町に貢献できる人間になりたい」と抱負を述べた。

 「女川は流されたのではない。新しい女川に生まれ変わるんだ。」。町の高台にある横断幕に書かれた言葉は、小学6年生の春に授業でつくった詩の一節だ。

 自宅は津波で全壊。家族と共に災害公営住宅で暮らす。地元への愛着を再認識し、現在は町職員として働く佐藤さんは「失敗を恐れず、積極的に動ける大人になりたい」と話した。

■石巻

 同県石巻市では、児童74人が死亡・行方不明となった市立大川小学校で、津波にのまれながら助かった只野哲也さん(20)が成人式に出席した。5年生だった只野さんは県内の大学に通い、被災体験を伝える活動を続ける。「これからは、震災前の大川小の楽しい思い出も広めていきたい」と語った。

■陸前高田

 死者・行方不明者計約1800人の岩手県陸前高田市では、今も行方不明の市立高田小学校5年松田瑞生(みずき)さん(当時11歳)の同級生が、松田さんの写真を手に成人式に出席した。

 松田さんは迎えに来た母親らと学校を離れた後、津波に巻き込まれたとみられる。「心の中には一緒に成人を迎えるミズがいる。これからも一緒に成長して人生を歩みたい」。陸上自衛官の室佳凜(むろかりん)さん(20)はしっかりした口調で話した。

■大槌

 約1200人が死亡・行方不明となった同県大槌町の成人式には、町立大槌小学校5年の鬼原壱(いち)君(当時11歳)の遺影を持ったサッカー仲間の古川海暉(ひかる)さん(20)が出席した。昨年4月に町職員となった古川さんは「イチには自分の仕事を見守ってほしい」と復興への思いを新たにした。

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