津波で流された「おえびすさん」、海底から引き揚げられ「笑顔」

津波で流された「おえびすさん」、海底から引き揚げられ「笑顔」

津波で不明のえびす像引揚げ

津波で流された「おえびすさん」、海底から引き揚げられ「笑顔」

海底から引き揚げられたえびす像(14日午前10時32分、宮城県気仙沼市で)=武藤要撮影

 東日本大震災津波で流され、行方不明になっていた宮城県気仙沼市の気仙沼漁港近くにあったえびす像が港内の海底で見つかり、14日午前、引き揚げられた。威勢良くタイを釣り上げる立ち姿から「おえびすさん」として市民らに親しまれていた。

 えびす像は、大漁祈願や航海安全を願って1932年に設置された。戦中の金属供出でいったん姿を消し、復活を望む声を受けて88年に2代目が復元された。しかし、2011年の震災の津波で流失。潜水士が何度も海に潜って捜したが見つからず、17年8月に3代目を作ることが決まった。

 3代目の制作が進む中、昨年11月、漁港に遊歩道を設ける工事を行っていたところ、付近の海底であおむけの状態で沈んでいるのが見つかった。

 14日は、ダイバーが岸から約10メートル離れた深さ約3メートルの海底に潜り、えびす像にワイヤロープを巻き付け、クレーンで引き揚げた。えびす像が8年10か月ぶりに姿を現すと、見守った市民からは「おー」という歓声が。高さ約1・5メートル、重さ約300キロの銅像は、右手に持っていた釣りざおは折れていたが、笑顔でタイを釣り上げていた。

 地元の商工、漁業関係者らで設立した「三代目恵比寿像建立委員会」の臼井賢志委員長(77)は、「もう見つからないと思っていたので、お帰りと言いたい。大漁祈願のシンボルとしてこれからも大事にしていきたい」と笑顔で話した。

 3代目は今春にもお披露目される予定で、見つかった2代目は近くの神社に奉納されるという。

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