茨城の一家殺傷から半年、県警「犯人像絞り切れず」…捜査員延べ5300人投入

茨城の一家殺傷から半年、県警「犯人像絞り切れず」…捜査員延べ5300人投入

今も規制線が張られている被害者宅(18日午後、茨城県境町で)

 2019年9月に茨城県境町の夫婦が自宅で殺害され、子ども2人が重軽傷を負った事件は、23日で発生から半年となる。県警は現場の状況などから、一家に恨みを持つ人物による犯行の可能性が高いとみて、延べ5000人以上を投入して捜査を進めてきたが、容疑者の特定には至っていない。

 事件は19年9月23日、午前0時40分頃に発生。同町若林の会社員小林光則さん(48)と、妻でパート従業員の美和さん(50)が自宅2階の寝室で就寝中、何者かに鋭利な刃物で首や胸を刺され殺害された。同じ2階の子供部屋の2段ベッドで寝ていた中学1年の長男(13)も腕や足を切られ重傷を負い、小学6年の次女(12)は手にスプレーのようなものをかけられた。

 小林さん宅は周りを雑木林に囲まれた一軒家。街灯はなく夜には一帯が真っ暗になる。事件発生後、室内には物色の形跡が見られなかったことなどから、県警は土地鑑があり、一家に強い殺意をもった人物の犯行の可能性が高いとみる。

 投入した捜査員はこれまでに延べ約5300人。現場検証のほか、夫婦の職場や近隣住民への聞き込み、携帯電話の解析などを行ってトラブルの有無について調べてきた。しかし、凶器や指紋といった手がかりは見つかっておらず、不審な人物も捜査線上に上がっていない。捜査関係者は「犯人像を絞り切れていないのが現状。家族と面識のない人物による犯行の線も視野にいれている」と語った。

 今月末には県警の定期人事異動で、捜査1課長に石崎宏文境署長、鑑識課長に飯野和広機動捜査隊長、境署長に榎戸一男鑑識課長が着任。発生時から事件に関わる捜査幹部が引き続き指揮を執る。

 小林さん宅の敷地の周囲を覆う規制線は風雨にもさらされ、「立入禁止」を示す赤い文字も薄れて見えなくなりつつある。中学、高校で美和さんの同級生だった男性(50)は「近所の集まりで事件について話す機会は少なくなった。正直、事件の記憶や恐怖心は薄れている」と話した。近くに住む50歳代女性は、事件後に人の出入りを感知する人感センサー付き照明を玄関に設置。「犯人が捕まっていないので不安は消えない」と表情を曇らせた。

 県警には18日までに約230件の事件に関する情報が寄せられた。今もフリーダイヤル(0120・007・285)で情報提供を呼びかけている。

関連記事(外部サイト)