修学旅行中止、小6女児「寂しい」…京都の「密」避けて奈良に絞る学校も

修学旅行で人気集める地域も

 新型コロナウイルスの流行は、修学旅行にも影を落としている。感染対策をして実施する学校がある一方、中止を決めた自治体も。遠出を避ける学校の代替地として人気を集める地域もあり、例年とは様変わりしている。

■楽しみだったのに

 岐阜県多治見市は、全市立小中学校で宿泊を伴う修学旅行を中止した。移動や食事などの際の「密」が避けられないと判断した。京都や奈良へ行く予定だった小学6年の女児(12)は「最後の思い出に、みんなと一緒に行くのを楽しみにしていた。仕方がないけれど、寂しい」と話す。

 愛知県豊田市の小中学校も、宿泊を伴うと感染対策が取りにくいとして日帰りにする。同県教育委員会によると、県内の公立小中学校(名古屋市を除く)の約15%は、日程の短縮を検討している。名古屋市の中学校は、東京ディズニーランド(千葉県)や東京・浅草などを回るのが定番だが、市教委によると、関東以外に目的地を変更する学校が相次いでいるという。

■行かせてやりたい

 文部科学省は修学旅行の教育的意義などを踏まえ、可能な限り実施を検討するよう各教委に通知している。

 愛知県岡崎市の市立岡崎小では、今年は密になりやすい京都を避けて奈良に絞り、鉄道は不特定多数の人と接触する可能性があるとして全行程バスに切り替えた。バスは6年生97人が密接せずに座るには3台必要で、予約が取れる日程を優先。小田昌男校長は「子どもたちにとって大事な思い出となる。リスクをゼロにはできないが、最大限安全に配慮して行かせてやりたい」と話す。

 同県豊川市の市立三蔵子小は例年通り京都・奈良へ行く。アンケート調査で「行かせたい」という保護者が多かったため、学校側と保護者の代表らで感染対策を協議。バスで往復し、京都市内では大型タクシーに分乗する。万一の際は複数の病院に最優先で診てもらう態勢をとり、宿には、感染が疑われる人のための部屋の用意があることも確認した。井上正英校長は「様々な意見をすりあわせ、実現にこぎ着けた」と語る。

■伊勢志摩が人気

 三重県の伊勢志摩地域には、多くの修学旅行生が訪れている。

 長崎県に行く予定だった三重県桑名市立明正中の男子生徒(15)は今月9日、伊勢神宮を見学し、「宇治橋が20年ごとに架け替えられると知り、驚いた。長崎に行けなかったのは残念だが、地元で思い出を残したい」と笑顔だった。

 三重県は、県内で修学旅行を行う小中高校などに、児童生徒1人当たり最大5000円の補助を実施。来訪者の増加に拍車をかけている。

 海洋体験ができる同県志摩市の自然学校では、学校関係の利用が、昨年の約70校約5050人から、今年は9〜11月の予約で約130校1万1500人と倍増。同県鳥羽市では、学校関係の宿泊(予約含む)が約5万1000人と昨年から4万人増えた。市観光課は「大型の宿泊施設がそろい、受け皿の役割を果たしている」と分析。伊勢志摩観光コンベンション機構の中村洋事務局長は「40〜50年前は大勢の修学旅行生が訪れた。今回好評だった点を集約し、今後のアピールに生かしたい」と話す。

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