自転車保険の義務化、条例広がった背景…相次ぐ高額賠償判決

 47都道府県と20政令市のうち、半数超の28都道府県11市が自転車保険への加入を義務付ける条例(努力義務を含む)を制定していることが読売新聞の調査でわかった。兵庫県が全国初の条例を施行してから今月で5年。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、人との接触を避けるため自転車の利用者は増えており、新たに条例化を検討している自治体もある。

 兵庫県が義務化条例を制定したのは、小学生の男児が起こした自転車事故を巡り、神戸地裁が2013年、男児側に約9500万円の賠償を命じる判決を出したのがきっかけだ。

 その後も自転車運転者が高額賠償を求められるケースが相次いだことを背景に条例化が広がり、読売新聞が各自治体に聞いたところ、東京、埼玉、静岡など17都府県と9市が保険加入を義務付け、北海道、茨城など11道県と2市が努力義務とする条例を定めていた。ほかに青森、三重、大分の3県が今年度中の制定を予定している。

 警察庁によると、19年に発生した自転車が関係する事故は全国で約8万件。10年前に比べて半減したが、対歩行者の事故は年間2000件台でほぼ横ばいだ。一方、17年に歩行者が死亡するか重傷を負った事故299件のうち、自転車運転者の保険加入が確認できたのは6割にとどまった。

 近年はスマートフォンなどを操作中の「ながら運転」による事故も目立ち、神奈川県は、ながら運転による死亡事故があったことをきっかけに昨年10月、条例を施行した。

 いずれの自治体も罰則は設けていないが、制定後は他の保険の特約を含めて自転車保険の加入率が上がるケースが目立つ。千葉市は来年度、現在は努力義務の条例を義務化に「格上げ」する方針で、担当者は「義務化によって加入率アップを目指す」と話す。

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