紫電改が撃墜したB29、和歌山で搭乗米兵11人の追悼式典…脱出者も逮捕・処刑

紫電改が撃墜したB29、和歌山で搭乗米兵11人の追悼式典…脱出者も逮捕・処刑

追悼式典で演奏を披露する米国空軍太平洋音楽隊(和歌山県田辺市龍神村殿原で)

 終戦前に米の爆撃機B29が墜落し、搭乗員7人が死亡した和歌山県田辺市龍神村の殿原地区で17日、「米国空軍太平洋音楽隊」が追悼式典を開いた。戦後75年などを記念して、6年ぶり2度目の開催。地元住民ら約100人が異国に散った人々を慰霊した。

 1945年5月5日、B29が旧日本軍の紫電改に撃墜され、搭乗員7人が死亡したほか、脱出した4人も逮捕、処刑されるなどして、全員が死亡したとされる。

 地元では、遺体を埋葬し、慰霊碑を建てて毎年5月に慰霊祭を開いている。自衛官OBでつくる県隊友会の木下晴夫会長(和歌山市)が知り合いの米軍関係者にこの話を伝えたところ、同音楽隊が2014年に「感謝を伝えたい」と訪れ、初の追悼式典を開いた。今回は、戦後75年と日米同盟60年を記念して、米軍横田基地(東京都福生市)に駐留する同音楽隊員15人が来訪した。

 式典では、慰霊碑に搭乗員11人の集合写真が飾られ、日米の国旗を掲げた隊員たちが入場。深瀬武文・殿原区長(67)が「コロナ禍で大変な中、遠路来ていただいた」と謝辞を述べた。同音楽隊の女性歌手が、日米の国歌を独唱。その後、追悼のトランペット演奏があり、続いて管楽器の5人が地元民へのお礼に4曲を演奏した。

 音楽隊を率いるマイケル・ハーバー少佐(45)は2度目の来訪。「地元の方が見ず知らずの米兵の慰霊を続けてくれたのはとても素晴らしいことだ。訪れることができて光栄」と話した。

 幼少期に墜落の瞬間を目撃したという地元の郷土史家、古久保健さん(83)は「戦争の犠牲の上に今の暮らしがある。私たちは兵士が命を落とした事実を伝えていく責任がある」と決意を新たにしていた。

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