密にならないアウトドアレジャーが人気、困ったのはイセエビ密漁の増加

 三重県鳥羽市や鳥羽海上保安部などでつくる鳥羽市密漁対策協議会は、イセエビを密漁したとして、漁業法違反容疑などで2020年に計15人を取り締まったと発表した。前年の1人から大幅に増えており、鳥羽海保は、新型コロナウイルスの感染拡大で、密になりにくいアウトドアレジャーの人気が高まっていることも背景にあるとみている。

 協議会によると、鳥羽海保が取り締まったのは20〜60歳代の会社員や自営業の男性で、居住地別では県内8人、愛知県6人、京都府1人。フィリピン人1人も含まれる。違反事実は、漁業権などがないのにイセエビを取った漁業法違反(漁業権の侵害)容疑。15人のうち9人は、禁漁期間(5〜9月)にイセエビを取った県漁業調整規則違反容疑でも取り締まりを受けた。

 卵を抱えたイセエビを含む計44匹を釣り上げていたが、販売する意図はなく、家庭で食べることなどが目的だったとみられる。鳥羽海保はイセエビを全て押収し、海に返したという。

 イセエビ密漁で取り締まった人数は17年は17人、18年は5人、19年は1人と減少傾向が続いていたが、3年ぶりに2桁になった。

 イセエビ漁が盛んな鳥羽市と志摩市磯部町の漁業者でつくる鳥羽磯部漁協によると、イセエビのすみかになる海岸近くの消波ブロックなどが狙われやすい。転落の危険性があり、漁業資源の保護のため漁業者も取らないようにしている。中には、複数のクーラーボックスに、取ったイセエビを小分けにするなどして取り締まりを免れる悪質なケースもあるという。

 県によると、イセエビの価格は20年10月後半〜12月末にかけ、1キロ当たり6000〜7000円と例年より2割増で推移している。全国的な不漁傾向や政府の観光支援策「Go To トラベル」事業の需要増などが背景にあるとみられる。

 同漁協の永富洋一・代表理事組合長は「県内では漁業資源を保護し、全国屈指のイセエビ漁を維持している。密漁は漁業資源を損なう上、消波ブロックなどでの密漁は極めて危険。組合員もチェックしているが、いたちごっこだ」と話す。

 鳥羽海保は、漁港などへの看板設置や巡回監視により密漁防止に取り組んでおり、「イセエビの密漁は地域の水産・観光資源に悪影響を与える犯罪行為。引き続き、関係機関と連携して取り締まりを進める」としている。

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