人手不足のいまこそ、ニート対策を考える好機

人手不足のいまこそ、ニート対策を考える好機

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 厚生労働省の発表によると4月の有効求人倍率は、1.48倍。バブル経済期の水準(1990年7月:1.46倍)を超え74年2月(1.53倍)以来43年2カ月ぶりの高水準。正社員に限ってみても統計開始(2004年)以来最高の0.97倍。言われる「人手不足」「売り手市場」を裏付ける結果となった。厚労省発表の前日(5月29日)のOECD(経済協力開発機構)の開示でも「日本のニート(無職者)率」は加盟35カ国平均の14.7%を下回る10.1%。この限りでは人手不足はニート問題解決にも寄与していると映った。

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 しかし現実は、もろ手を挙げては喜べない。

 OECDと日本のニートの定義には差異がある。「働いておらず、教育や職業訓練を受けていない15〜29歳の男女」(OECD)に対し、日本では「15〜34歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない男女」(厚労省)。ただ、括ってみると「15〜34歳の無職者」と捉える事ができる。

 実はニートの背景は様々だが、総務省は2016年の労働力調査の結果として「(OECDや厚労省とは異なる)35歳から59歳でみると中年ニートの数は10年の117万人から123万人に増加している」としている。統計上に示されている人数の2.2倍に及ぶ。30代半ばから50歳代は「働き盛り」のはず。もろ手を挙げて喜べない、としたのはこのためである。中年ニートの増加は「生活保護受給者増」「税収減」という懸念を増幅させる。

 厚労省が執っている補助金を出して「手に職を」式のニート対策は、34歳で打ち切られてしまう。どうするべきか。

 東証マザーズの上場企業に、クラウドワークスがある。展開している事業は一口で言うと「インターネット上で企業(仕事)と個人をマッチングするクラウドソーシング」ビジネス。中小零細企業が(単発・継続を含め)具体的な仕事の内容を提示し、(登録済みの)働き手予備軍の会員に「いかがですか」と広範に呼び掛けネット上で契約を完結する「プラットホーム事業」。同社自体が大手企業と契約し、案件にマッチングしそうな会員(個人)に提案する「エンタープライズ事業」。前9月期の総契約額は約60億円。2011年に起業しているが、順調さの要因の一つは40以上の地方自治体との提携。自治体を「企業」に置き換えてみると分かりやすい。自治体も単発・継続の人員確保の需要がある。

 同社では「無職だが、こんな仕事に興味を覚えるし一度挑戦してみたいという条件で登録した方の成約も少なくない」としている。

 人手不足のいまこそ、ニート対策に行政側も民活活用は一法といえるのではないか。

(千葉明)

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