【永田町炎上】脛に傷を持つ小池百合子が「都政改革」とは片腹痛い

【永田町炎上】脛に傷を持つ小池百合子が「都政改革」とは片腹痛い

【永田町炎上】脛に傷を持つ小池百合子が「都政改革」とは片腹痛い

【朝倉秀雄の永田町炎上】

■「都民ファースト」が聞いて呆れる

 9月28日、小池都政になって初めての都議会が開会した。小池は冒頭の所信表明で「都庁の自己改革精神を呼びさます装置として自らが本部長となり『都政改革本部』なるものを立ち上げ、豊洲市場の建物の下に盛り土をしなかった経緯や膨れ上がった東京五輪・パラリンピック経費などを検証して組織の膿を出す」ことを宣言するなど相変わらず競走馬より鼻息が荒いようだ。

 それにしても昨今は西ドイツのメルケル首相はEUを仕切っているし、韓国では朴大統領。英国ではメイ政権が誕生し、米国でも建国史上初めて女性大統領が誕生するような雲行きだし、とにかく女性が元気だ。その典型が女性として初めて衆愚の力を借りてねじ伏せ、大臣より偉い「都知事」に就任した小池百合子だろう。

 確かに「改革」という言葉は大衆には「心地よく」聞こえる。だが、誰よりも「上昇志向」が旺盛で、自分のことしか考えず、その時々の権力者に擦り寄り、節操のない生き方をしてきた「女政界渡り鳥」に「都民ファースト」などと宣い、果たして「改革」を語る資格があるのかどうか、はなはだ疑問だ。

■官僚操縦が苦手な小池都知事

「差別」と取られても困るのだが、女性政治家の特徴は自分の能力を客観的に評価できず、バランス感覚も働かないから、ひとたび権力を握ると、さながら「猪」のごとく突進することだ。当然、官僚たちといざこざも絶えなくなる。小泉内閣の田中真紀子外相、民主党政権時代の小宮山洋子厚生労働相らが官僚と衝突して組織が機能不全に陥りかけたことはすでにご存知だろう。

 特に小池にはその傾向が強い。かつて第一次安倍内閣の防衛大臣時代、「防衛庁の天皇」と呼ばれた守屋武昌事務次官のクビを切り、後任に警察庁の西川徹矢官房長を据えようとして、守屋に官邸に駆け込まれ、安倍や塩崎官房長官も守屋の肩を持ったために人事案を撤回に追い込まれた前歴がそれを証明している。図らずも小池の官僚掌握術の欠如を露呈した格好だが、都庁職員は約16万人。国で最も大きな国税庁の4倍近い大組織だ。しかも昇進には旧司法試験にも匹敵する低い合格率の高度な「管理職試験制度」を採っているから、幹部職員には優秀な人材が揃っているし、国のキャリア官僚以上にプライドが高い。「都政改革」には何より都庁官僚の協力が不可欠だが、彼女に官僚をうまく操縦できるとはとうてい思えない。防衛相時代のように衝突するのが関の山ではないのか。

■「都政改革」よりも小池の「自己改革」だ

 筆者の17年の政策秘書経験から言わせれば、カネにきれいな政治家など一人もいない。叩けば必ず埃が出る。御多分に漏れず、小池にも常に「政治とカネ」を巡る数々の疑惑がつきまとっている。

 8月24日付の『日刊ゲンダイ』によれば、小池の資金管理団体「フォーラム・ユーリカ」は平成24年9月に自民党の梶山弘志衆議院議員が開いた政治資金パーティで会費を払った際、受け取った宛名を金額も空欄のまま余白に金額を記し、会計責任者の印を押しただけの領収書を受け取り、そのまま政治資金収支報告書に添付して提出したのだという。これでは収支報告書に記載された金額の正確性は担保できまい。

 それだけではない。7月3日の『産経新聞』の取材で小池が代表を務める政党支部が支援者の所有するビルの一室を相場の約27万円の半額程度の月15万円で貸借。敷金や礼金は払った形跡はないという。もしそれが事実なら相場との差額は家賃だけで年約144万円。敷金や礼金の免除額を加えると一つの政治団体に対する献金の年間上限額の150万円を超えてしまう。相場との差額は政治資金規正法上は「寄付」に当たる。当然、政治資金収支報告書に記載する必要はあるが、それがないというのだから、規正法の「不記載罪」に該当する可能性も出てくる。

 そもそも小池の「政治とカネ」を巡る疑惑は平成19年にまで遡る。同年8月4日の『しんぶん赤旗』は環境相時代の平成17年のいわゆる「郵政選挙」の公示の4日前の同年8月26日、小池が代表を務める「自民党東京都第10支部」が環境省主催の国際シンポジウムの開催業務を5460万円の「随意契約」で受注した「コングレ」なる会社から100万円を受け取ったと報じている。ちなみに公職選挙法第200条は「特定寄附の禁止」しては「国と請負契約を結ぶ個人や企業は国政選挙に関して寄附をしてはならず、政治家側も要求してはならない」と定めており、違反して受け取った場合は3年以下の禁錮または50万以下の罰金に処される。当時、小池は「コングレから100万円を頂戴したことは事実だが、環境省が随意契約をしている企業であることは承知していなかった」などと宣っているが、所管大臣の身でそんな言い訳は通用しない。

 何よりキナ臭いのは『週刊新潮』が指摘するように、小池の金庫番にして同居人の永田某なる人物がよりにもよって小池の当選が確定した翌日の8月1日、小池と共有する彼女の練馬の自宅などを共同担保として東京都の「指定金融機関」である「みずほ銀行」に3億3000万円を枠とする根柢当権を設定させ、不可解にも同日に解除していることだろう。これは永田が都知事の権力を背景に小池の了解を得て「みずほ」に便宜を図らせたと捉えられても仕方があるまい。設定の同日に解除したのは、あるいは「これはヤバイ!」と気づいたからではあるまいか。いずれにせよ都民の目には何やら胡散臭げに映ることは間違いない。いま、小池に求められるのは「都政改革」などではなく、「自己改革」と疑惑に対する説明責任だ。

文・朝倉秀雄(あさくらひでお)※ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中。

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