都議選迫る…真価問われる小池都政は「あの最悪時代」にそっくり?

都議選迫る…真価問われる小池都政は「あの最悪時代」にそっくり?

都議選迫る…真価問われる小池都政は「あの最悪時代」にそっくり?(※写真はイメージです)

 いよいよ東京都議会議員選挙が直前に迫った。改選議席127を争う戦いは、<都民ファーストの会>が同調勢力(注1)も含めて過半数を占められるかが焦点となってきている。

 構成メンバーのほとんどが<元・民進党>か政治経験のないド素人。幹部が度々、週刊誌ネタになる怪しい集団が伸びると見られるのは、ひとえに小池百合子都知事(64)の政党だからだ(注2)。さすがに就任時の熱狂的な支持は色あせたものの、彼女はまだ高い支持率とメディア人気を誇っている。今回の都議選は、小池都知事の一年間への評価であり、今後の巨大都市・東京の命運を左右することになる。しかし、

「(豊洲市場への)風評被害には、私が先頭に立って払拭していきたい」

 とは先日の小池都知事の発言だ。自分で火をつけておいて、いつの間にか消火する側に回って騒ぐ類の人を<マッチポンプ>というが、それ以外に相応しい言葉が見つからない。都知事が独断で豊洲移転を一年間止めたことで、東京オリンピックまでの環状2号線開通がほぼ不可能に。さらに業者への補償などで、これまでに100億円を超える損失を出しているのに、どこ吹く風。

 市場移転問題に限らず、こうした都知事の非論理的な言動を見ていると、ある先輩都知事がオーバーラップしてくる。第六代(注3)東京都知事、故・美濃部亮吉のことだ。都知事として最初の共通点は、就任時には大変な人気だったということか。

■現代によみがえる”美濃部都政”の悪夢

 美濃部亮吉は、<天皇機関説>で知られる美濃部達吉の長男。マルクス経済学者らしく、日本社会党と日本共産党に支持されて1967年から1979年の三期12年間にわたって、東京都知事を務めた。革新都知事らしく朝鮮大学校を全国で初めて各種学校として認可したり(注4)、公営ギャンブルを中止。就中、その後の東京の姿を大きく変えたのが、数々の公共インフラ事業を次々に廃止、凍結していったこと。

 ……都電、東京外環自動車道、首都高速中央環状線、空港増築などがそれで、渋滞を悪化させ、巨額の経済損失を招き、社会を停滞させた。推進した美濃部の思想は、「一人でも反対したら橋をかけない」というもの。 

 元「都政研究」誌(注5)の主筆である大塚英雄氏は、こう言う。

「(小池都知事の独善で)ここまで東京都庁内に鬱々とした雰囲気が蔓延しているのは、美濃部都政以来かもしれません。小池さんと同じく、美濃部さんもパフォーマンスが非常に上手な知事でした」(注6)

 ここでも、「(自分)一人でも反対したら市場を移転させない」方針だった小池都知事と似通う。いま美濃部都政は時代の中で、独善によって残した大きな負債が検証され、批判されている。小池都知事の功罪(注7)も就任一年であれこれと言われているが、都議選の結果次第で都民はさらなる大混乱を覚悟しなくてはいけないだろう。

 前述の「一人でも反対すれば橋をかけない」というのは、アフリカの思想家・フランツ・ファノンの言葉から美濃部が引用したものだが、実は続きがある。

「反対する者は川を泳いで渡れば良い」(注8)

 政治家も有権者も、覚悟して行動すべき。

(注1)同調勢力…公明党など。
(注2)小池百合子の政党だから…ずっと続く安倍官邸バッシング報道で生じた、自民党のイメージダウンにも助けられている。
(注3)第六代都知事…三選して第七代、第八代も務めた。
(注4)朝鮮大学校を認可…これをキッカケに全国で朝鮮学校へ補助金を出す動きが広がった。美濃部はその後、北朝鮮でキム・イルソンと会談して最大限の敬意を表明した。
(注5)「都政研究」…都政専門誌。
(注6)歴代都政との比較…月刊誌「新潮45」7月号への寄稿より。
(注7)小池都知事の功罪…「功」がゼロというつもりは無い。
(注8)ファノンの言葉…筆者の意訳。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中?ダスティ”ねぃ

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