ピエール瀧「韓国紙幣でコカイン吸引」報道は捜査当局とマスコミの差別扇動だ! 案の定、ネットは韓国ヘイトの洪水に

ピエール瀧「韓国紙幣でコカイン吸引」報道は捜査当局とマスコミの差別扇動だ! 案の定、ネットは韓国ヘイトの洪水に

韓国紙幣を使ってコカインを吸引していたと報じたNHK NEWS WEB

 12日深夜に突如飛び込んできたピエール瀧容疑者の逮捕報道。電気グルーヴのメンバーとしての活動と同時に、名バイプレイヤーの俳優として映画・ドラマで八面六臂の活躍を見せていただけに、影響は各所に及んでいる。

 3月15日、16日に予定されていた電気グルーヴ30周年ツアーのZepp Tokyo公演は中止となり、プレイステーション4向けゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』の出荷とダウンロード販売の自粛が決まり、11月公開予定の『アナと雪の女王』の続編でオラフの日本語吹き替え版声優を務める予定だったが、ウォルト・ディズニー・ジャパンは声優交替を検討している旨を明かしている。大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK)や、映画『麻雀放浪記2020』、映画『居眠り磐音』なども対応を検討しているといい、逮捕の余波は今後も増えていくものと思われる。

 明確な被害者のいない薬物事件でこの過剰反応と大騒ぎには、大きな疑問を感じるが、それと同時にもうひとつ、非常に気になる動きがあった。

 今日の正午ごろ、瀧容疑者の自宅からストロー状に巻かれた韓国紙幣が押収されたとのニュースが流れたのだ。そして、多くのメディアが「韓国紙幣」を使ってコカインを吸引していた可能性を強調する報道を展開したのだ。

NHK NEWS WEB〈ピエール瀧容疑者 自宅から丸めた韓国紙幣 吸引に使用か〉
TBS NEWS〈ピエール瀧容疑者、コカイン吸引に韓国紙幣使用か〉
朝日新聞〈ピエール瀧容疑者、韓国紙幣で薬物吸入か 自室から押収〉
時事通信〈韓国紙幣でコカイン吸引か=ピエール瀧容疑者〉

 これらの報道では、瀧容疑者がこの韓国紙幣をコカイン吸引に使用していたとみて、付着物鑑定などの捜査を進める、などともっともらしい捜査の見通しも流された。
 
 しかし、これ、そんなに大きく報道するような話なのか。たしかに、紙幣を使ってコカインなどを吸引するというのは、映画などではよく見るシーンだが、それが新聞やテレビでこんなに大々的に報道されたケースをあまりみたことがない。しかも、わざわざどこの国の紙幣かなどという細かいところまで報道するなんて、普通ならありえないだろう。

 にもかかわらず、多くのメディアがこんな報道を展開したのは、それが「韓国紙幣」だったからだ。徴用工問題やレーダー照射問題などによって、いま、日本のメディアは“嫌韓”に覆われている。今回の報道は明らかに、その空気に乗っかり、読者や視聴者の受けを狙って垂れ流されたものだ。

 実際、このニュースをきっかけにSNS上では、グロテスク極まりない排外主義的な言葉が溢れた。

 最近はネトウヨ的言動が多いことで知られるアルピニストの野口健氏による〈何故に韓国紙幣…丸めてストローがわりにしるならば何もわざわざ海外紙幣?〉(原文ママ)とのつぶやきを始め、ツイッター上にはこんな書き込みが投稿されているのだ。

〈全部韓国のせい〉
〈チョーセン人だったのですね残念です〉
〈日本の凶悪犯罪の多くに…あの国の存在〉
〈悪事には必ず関わってる朝鮮〉
〈韓国紙幣の正しい使い道。(笑)〉
〈これもコリアがからんでくるのか コリアがらみの犯罪が多過ぎないか?〉
〈#nhk ならこう報道すべき。
「若者の間で #KPOP がトレンドとなっている #韓国 、近頃は韓国の紙幣でコカインを吸収するのが著名人にも流行しているそうです。問題はないのでしょうか」wwwww〉
〈韓国から仕入れて、そのついでに日本円の10分の1の価値しかないウォン紙幣で吸引ってか?
ストローより隠ぺい出来そうだし
韓国芸能人のが薬物報道とか聞くね
最近も芸能界引退したK-POPメンバーだかも薬物報道
893も大陸か半島からだし〉

●大元は厚生局麻薬取締部が話題作りのために流した情報

 ただただ韓国を叩きたいという差別感情丸出しの頭の悪い言葉の数々だが、このような差別発言を引き起こしているのは、言うまでもなく「瀧容疑者が吸引に使ったと見られるのは“韓国紙幣”である」という報道だ。

 仮に、ピエール瀧の部屋から本当に韓国紙幣が見つかっていたとしても、それを吸引に使ったかどうかはさだかではないし、たまたま手近にあった使わない紙幣が韓国紙幣だっただけという可能性が非常に高い。ところが、その程度にすぎない情報をNHKから朝日までが「嫌韓」に乗っかって、意味ありげに報道したがために、こんな韓国ヘイトを引き起こしているのだ。

 そういう意味では、今回、NHKや朝日新聞がやったことは、ネトウヨ出版社によるフェイクだらけの嫌韓本出版となんらかわりはない、ヘイトビジネスそのものといってもいいだろう。

 メディアには猛省を求めたいが、しかし、この「韓国紙幣」報道にはもっと大きな問題がある。それは、この情報がピエール瀧を逮捕した捜査当局、関東甲信越厚生局麻取部から出ていることだ。

「多くのメディアが「韓国紙幣」と報じることを考えると、これは麻取が情報を出したとみて間違いないでしょう。麻取の捜査は見せしめ的要素が強いため、とにかく事件を大きく報道させたがる。芸能人などを狙い撃ちするのもそのためだし、逮捕後も話題にさせようといろんな情報をリークするんです。今回は、いま、日本を覆ってる“嫌韓感情”を利用して、話題を煽ろうとしたんでしょう」(全国紙社会部記者)

 ようするに、捜査当局が確信犯的に差別感情の扇動を狙っていのだ。安倍一強支配下で、官僚までがネトウヨ化して差別加担にためらいがなくなっているというのはよく聞く話だが、ここまで露骨になっているとは……。

 官とメディアの共犯関係でレイシズムを増幅させるという、この国の異常かつ醜悪極まりない現状が、あらためて浮き彫りになった出来事といえるだろう。
(編集部)

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