外来カミキリムシの影響で…お花見ピンチにも 東京都が駆除を呼び掛け

 このまま放っておくとサクラのお花見ができなくなるかもしれない“危機”が迫っています。原因は外来生物の「クビアカツヤカミキリ」です。名前の表す通り、体全体は光沢のある黒色で首のように見える部分が赤いのが特徴の、全長4センチほどの大きさの昆虫です。東京都は駆除するよう、協力を呼び掛けています。



 目立つ外見をしたこの虫は元々は中国やベトナムなどに生息していて、日本にはいない種類でした。輸入木材などに紛れて入ってきたとみられ、特定外来生物に指定されています。クビアカツヤカミキリは日本の在来種に比べて繁殖力が強く、天敵もほとんどいません。そして一番の問題は、樹木の皮が割れているところに卵を産み付けて、生まれた幼虫が木の内部に侵入し食い荒らしてしまうことです。食い荒らされた木の断面には大きな穴が開き、発覚からわずか3カ月で栄養が行き届かずに弱ってしまう事例も見られ、処置が遅いと立ち枯れの状態になってしまうこともあるということです。クビアカツヤカミキリが卵を産み付けるのはサクラだけでなく、モモやウメといったバラ科の植物に集中しているため、お花見だけでなく梅干なども影響を受ける可能性もあります。

 カミキリムシの被害を研究している専門家は「今が大事な時期」だといいます。被害件数が右肩上がりに増えていて、ここで食い止めないと手の施しようがなくなる恐れもあると警告しています。都内で特に注意が必要なのが八王子市やあきる野市の周辺部や足立区で、被害はないものの調布市で成虫が捕獲されたこともあります。クビアカツヤカミキリは自分で3キロほど飛ぶことができるほか、車にくっついて移動した事例も確認されています。クビアカツヤカミキリは特定外来生物に指定されているため、飼育したり生きたまま運搬・譲渡することなどは原則として禁止されていて、違反した場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。

 もし見かけたら、すぐ駆除してください。自治体も駆除に力を入れていますが、多くの人の目で警戒していれば駆除のスピードは上がります。見つける手掛かりで一番分かりやすいのが「フラス」と呼ばれる"食べかすとふんの混ざったもの”が木の幹や根元にたまっていると、クビアカツヤカミキリの幼虫が木の中にいることが分かります。他にも、樹液が何カ所も出ていたり葉の付き方が少ない時は、幼虫が寄生している可能性があります。また、成虫はムスクのような強い香りが漂い、1メートルぐらい離れていても分かるということです。

 現在、被害の大きな関東地方の都市の中には「1匹当たり50円の懸賞金」を出す自治体もあるようです。もし見つけたら、成虫の場合はその場で捕まえて踏みつぶすなどして駆除してください。毒などはありません。また、存在を確認したり疑わしい状況を発見した場合には、自治体の担当窓口に連絡してください。

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