パラ世界記録の「こん棒」が高校に“里帰り” 都立工芸高校の生徒が制作

 8月の東京パラリンピックで行われた陸上競技の1つ「こん棒投げ」で使われた「こん棒」は、東京都立高校の生徒が制作したものでした。今回のパラリンピックで生徒たちが作ったこん棒から世界新記録が生まれ、大会組織委員会は世界新記録を樹立したこん棒を高校に寄贈しました。



 大会組織委員会から東京都立工芸高校に寄贈されたのは、東京パラリンピックの「こん棒投げ」で実際に使用され世界新記録を記録した「こん棒」です。9月29日"里帰り”を果たしました。こん棒投げは、握力が弱くてやりなどが握れない選手のために考案されたパラスポーツ独自の投てき種目です。東京パラリンピックでは女子こん棒投げ・決勝で8月27日、ポーランドのルザ・コザコフスカ選手が28.74メートルを投げ、世界新記録を達成して金メダルを獲得しました。その世界新記録を出したこん棒を制作したのが、都立工芸高校のインテリア学科を2021年3月に卒業した生徒たちでした。

 こん棒作りが始まったのは2019年7月のことでした。まず、デザインを考え、機械で削り出すための型を作り、大きな機械を使って型を切り出していきます。続いて型を当て、角材を機械でボウリングのピンのような形に削ります。その後、規定の長さおよそ40センチ・重さおよそ400グラムに合うように研磨、塗装などを行います。当時、こん棒作りの難しさについて生徒は「選手によって投げ方に違うが、こんなふうに投げるんじゃないかと試したりした」と話していました。8カ月の制作期間を経て、生徒たちは20本のこん棒を作り上げました。

 そしてついに2021年8月に開かれた東京パラリンピックで、生徒たちが制作したこん棒は国立競技場の空に投げられ、さらに世界新記録が生まれたのです。世界新記録が樹立されたことについてこん棒作りに携わった西沢直斗さんは「授業の一環として作ったこん棒がパラリンピックというひのき舞台で使われ世界記録も出たことは、制作者として本当にうれしいの一言。テレビで『このこん棒は都立工芸高校の生徒が作った』とはっきりアナウンスしてもらって感無量でした」、関谷朱花さんは「パラに携わったのはいい経験になった。こん棒を使ってもらえるかどうかは選手次第だったので、実際に使ってもらって記録も出たのがすごくうれしい」と話しました。

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