ラーメンとスニーカーがコラボ 有名企業の“意外なお仕事”の背景とは

 有名な企業の“意外な取り組み”が活発になっています。他業種との面白いコラボレーションが盛んになっている一方、他の分野への進出には“深い理由”がありました。各社の取り組みや背景をご紹介します。



 こってりスープのラーメンでおなじみの「天下一品」は創業50周年を記念して、スポーツメーカー「デザント」とコラボしたスニーカーを11月10日に発売しました。このスニーカーは数分で完売するほどの人気で、販売元のデサントの公式アプリでは16日まで抽選販売の応募を受け付けているものの当選倍率は相当高くなりそうです。

 セレクトショップ「BEAMS JAPAN」が"銘品のススメ”として「木刀」を販売して話題となっています。木刀の「つか」の部分にはBEAMSのロゴが入っています。この木刀は「松崎木刀製作所」という武道用具メーカーに納品している小さな工房が作っています。1本1本手作業で製造され、武具としての美しさと同時に木の持つ温かみも感じられます。カルチャーショップとしてのBEAMSが日本を見つめ、その価値に光を当てる取り組みの一環だということです。日本文化を大切にしたいという企業の思いが木刀につながっています。

 スポーツ用品メーカーの「ミズノ」では、スポーツ競技用ではなく"企業用のユニホーム事業”を強化してます。福利厚生の一環で快適なユニホームを求める企業が増加していることもあり、2020年度のユニホーム事業の売上高は69億円となっています。芋焼酎で有名な霧島酒造もミズノにユニホーム作製を依頼している1社です。霧島酒造では工場見学向けのPRのほか、会社としての一体感が生まれることも期待しているそうです。ミズノ製のユニホームにはスポーツウエア開発のノウハウが生かされていて、動きやすさを追求していたり、汗をかいても大丈夫なように臭い対策もされています。他にも酒造メーカー向けならではの工夫として、静電気がアルコールに引火するのを防ぐ素材が使われています。ミズノがユニホーム事業を強化する背景には、主力事業であるスポーツ用品の売り上げへの危機感があります。スポーツ用品は主に中高生の部活動での利用が中心で、少子化の影響で売り上げが頭打ちの状況になっています。こうした危機感から企業ユニホーム事業に力を入れ始め、毎年3割増のペースで成長しているということです。

 警備会社の「ALSOK」はジビエ事業に参入しています。2020年には千葉県茂原市にジビエ工房を開設しました。自治体や猟友会とも連携して、主にわなにかかったイノシシを回収してジビエに加工して飲食店に卸しています。後継者不足による猟友会の高齢化が問題になっていることもあり、自治体からも強い要請があったということです。他にも警備会社の強みを生かして、ジビエの流通経路を"現金輸送の経路追跡システム”を利用して追跡できたり、感染症の検査なども行っているため、飲食店からは「安心・安全」と好評だそうです。現在は業務用だけですが、今後は一般向けのジビエ販売も準備しているということです。高まるジビエ人気や食の安全を求めるニーズも取り入れた見事な戦略に見えますが、実はこのジビエ事業も将来的な不安から始めたという側面があります。電子マネーの普及で現金を警護しながら輸送するニーズが減少するのではないかという予測があったため、オフィス警備などの都心中心の仕事の受注から、郊外での仕事の受注を増やしていきたいという課題がありました。ジビエ事業への参入はその課題をクリアするだけでなく、処分に苦慮していた害獣をジビエとして活用することで企業の社会貢献にもなっています。

 いつの時代にも、企業には時代に合わせた変化が求められています。

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