外国人の厳しい就職状況 “壁”となる「文化の違い」

 日本にいる外国人のおよそ2割が住んでいる東京では今、新型コロナウイルスの影響もあり“外国人の就職難”が続いています。今や、日本になくてはならない「外国人の戦力」ですが、その就職にはさまざまな課題があるようです。



 11月初め、都内で外国人向けの就職・転職の支援イベントが開かれ、外国人の就職活動に役立つセミナーが行われたり外国人を採用したい企業がブースを出展しました。イベントを訪れた外国人からは「東京だから幅広い仕事があると思って、状況を知りたくてイベントに来た」(転職希望の台湾出身・30代)、「これから仕事探して貯金して、自分の将来の夢をかなえるためにはこの国しかないと思って日本に来た」(来春卒業予定の専門学生・スリランカ出身・30代)など、日本そして東京で働くことへの期待の声が聞かれました。

 しかし、その雇用状況は新型コロナの影響もあり、厳しい現実にさらされています。中には「去年一時帰国したが、コロナの影響で日本に戻れず1年間学校を休んだ。日本とベトナムは文化が違うので、いろいろなマナーを勉強しないといけない」(来春卒業予定の学生・ベトナム出身・20代)、「コロナの影響で旅行会社やホテル業、接客業で就職するのは難しいと感じている。求人も少ない」(転職希望の中国出身・30代)と話す人もいました。

 就活支援サイトの運営会社によりますと2021年7月時点の内定率は、国内の学生がおよそ8割なのに対し、外国からの留学生はおよそ4割にとどまっていて、日本の学生の半分ほどしかない状態がここ数年続いています。

 インド出身の20代男性、ケニーさんはこの9月に日本の大学を卒業し、現在は就職活動の真っただ中です。英語・フランス語・日本語の3カ国語を操るケニーさんは語学力を生かし、外資系企業の営業職などを目指しています。しかしそんなケニーさんの就職活動もうまく進んでいません。ケニーさんは「本当に大変。いつ見つかるか分からない。いい就職先を早く見つけられたらいい。留学ビザは12月までの期限なので、それまでに見つけないとインドに戻るしかない」と語ります。ケニーさんは就職活動で苦労している点について、卒業から就職までの時間がないことを挙げます。ケニーさんは「大学にいる時は論文を書いたりアルバイトをしていてあまり時間がなく、卒業してから就職活動を始めた。日本の会社に応募すると4月入社で、入社まで何もできなくなるから外資系企業に応募している」と話します。

 外国人の教育研修や就職支援を行う明光ネットワークジャパンの三隅花マネジャーは、さまざまな課題がある外国人の就職活動には"文化の壁”があると分析します。三隅さんは「外国人は『学生の間はしっかり学業に専念し、卒業後に就職活動を始める』という国が一般的。日本の場合、学業と並行しながら就職活動を始めると思うので、日本人の学生と比較すると出遅れるということが顕著」といいます。また、日本の企業が面接で「意欲や人柄」などを評価の基準とするのに対し、外国人は自分を強く主張し過ぎてしまうところにも"企業とのギャップ”があるとみています。

 少子高齢化で現役世代の減少が進む中、外国人の人材活用にも変化が求められています。

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