生き物のためにさまざまな工夫“水槽の大掃除” サンシャイン水族館

 年の瀬を迎え、東京・池袋にあるサンシャイン水族館で恒例の水槽の大掃除が行われました。随所にスタッフの工夫が施されています。



 12月13日に大掃除が行われたのは、沖縄地方の海に生息する魚たちの水槽です。普段はスタッフが潜水して水槽の内側からスポンジでこけをこすって掃除をしています。しかし水の入った状態での作業には限界があるため、年に数回大掃除を行っています。

 まずは膝上ぐらいまで水を抜いて、魚を取り上げやすい状態をつくります。捕獲する時に使うのはスタッフ手作りのビニール製の網です。市販の網だと魚の体を摩擦で傷つける恐れがあるためです。さらに気を配るのが魚たちの輸送時間だといいます。飼育スタッフの三田優治さんは「だんだん水位が下がってくると魚もパニックになるので、生物にとってはやはり時間は短い方がいい」と話します。

 取り上げた魚はバケツリレーで予備の水槽へ移されます。海水魚でも仮に移す先にあるのは「淡水」です。海水魚なのになぜ淡水に入れるのでしょうか。その理由について三田さんは「寄生虫も海水で暮らしている。淡水につけると魚と寄生虫の我慢比べになり、寄生虫の方が先にギブアップする。魚が海水に戻した時に元気に暮らせるのは(淡水浴時間)3分ぐらいまで」といいます。

 そして、いよいよメインの水槽の清掃に取り掛かります。塩素をまき、漂白・殺菌します。細かいところは歯ブラシでこすります。そして水洗いをした後、中和剤を散布し、さらに水で洗浄します。ここで重要なのが「残留塩素を測る作業」です。水道水など塩素が含まれた水では魚は生きることができません。この検査をパスすると、ようやく海水を入れ始めます。使っているのは八丈島沖のミネラルを多く含む海水で、沖縄沖にすむ魚のために水温調整機で23.5℃まで海水を温めるのだそうです。最後に魚たちを戻してあげて大掃除は無事終了です。三田さんは「サンシャイン水族館にいつ来ても健康的な魚・きれいな水槽でお客様さまに見てもらうためにも、大掃除を行うことが大事だと感じている」と話しています。

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