都内産の焼酎「東京島酒」を世界に発信 目指せ「シャンパン」「バーボン」

 東京都内の島々でお酒が造られていることをご存じでしょうか。中でも、今回注目したのは島で蒸留された焼酎です。「東京島酒」と名付けられたブランドを世界に向けて発信しようと、東京・八丈島の酒蔵が動き出しました。



 東京都心から南におよそ300キロ離れた八丈島では今、麦焼酎の仕込みが行われています。酒蔵では蒸したての麦の甘い香りが広がっています。

 八丈島はコロナ前は年間12万人以上が訪れていた"東京都の南の楽園”です。その八丈島で1947年に創業した八丈興発は70年以上にわたって焼酎を製造し続けています。八丈興発の小宮山善友社長は「焼酎の決め手は蒸留だと思っている。蒸気の入れ方、温度で味が変わってくる。蒸留が一番の要だと思っている」と話します。麦こうじで仕込む芋焼酎という全国的にも珍しいスタイルを持つ島焼酎は、飲むと麦こうじ特有の爽やかな香りと芋のうまみが広がります。

 八丈興発の小宮山さんは今、この島焼酎を世界に発信するため、新たな試みに挑戦しています。それが「地理的表示=GIの取得」です。GI=ジオグラフィカル・インディケーション(Geographical Indication)とは、代表的なものではフランス・シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインだけが名乗れる「シャンパン」や、アメリカのケンタッキー州・バーボン郡で造られたウイスキーを指す「バーボン」などがあり、製法にこだわってその場所で生産されたものしか名乗ることが許されません。

 島の蔵元らは「東京島酒」というブランドでGIの取得を目指すといいます。小宮山さんは「東京にも島がある。東京の島で酒がある。それは何だというと焼酎。本格焼酎を造っている。それで『東京島酒』。これを名乗らせてもらって出せるというのは非常にメリットがあるのではないか」と話します。小宮山さんはメリットとして、世界に発信する時に他の焼酎と差別化ができ、また品質も厳格に管理されるため、消費者への信頼にもつながるといいます。

 さらにGIの取得には、島の雇用に関わる別の期待もかかっています。島内の酒店・山田屋の山田達人さんは「狭い地域、狭い島の中で酒に関わる人たちが非常に多い。販売量が少しでも増えていき、そこに雇用が生まれ経済が回っていくのが明確ですから、早急にやってほしい」と期待を寄せます。

 GIの取得には商品そのものの認知度の高さが求められるため、蔵元らは7年前からその獲得に向けて「東京島酒」の名前が入ったラベルやのぼりを作り、PRに力を入れてきました。小宮山さんは「東京島酒を日本の人に知ってもらいたいというのもあるが、その次は世界の人に『東京島酒』を知ってもらいたい。今、気持ちが高まってわくわくが止まらない。GIを必ず取得したいと思っている」と話します。

 東京の地酒を世界に──。東京島酒を知らしめる壮大な試みはスタートしたばかりです。

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