<池袋暴走事故から3年・交通事故ゼロの未来へ>松永さんの変化する思いと…伝えたいこと

 東京・池袋の道路で高齢者が運転する乗用車が暴走し、親子2人が死亡、9人がけがをした事故から3年がたとうとしています。愛する妻と娘を一瞬のうちに亡くした男性に、今の心境を伺いました。事故から3年がたち“変化した思い”と、いま伝えたいメッセージを聞きました。



 2019年4月19日、豊島区東池袋で暴走した車が通行人らを次々とはねる事故が起きました。発生から3年の月日がたとうとしています。松永拓也さん(35)はあの日、妻の真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(当時3)を一度に亡くし、消えることのない悲しみを抱えました。

 事故から3年がたつのを前に、松永さんはTOKYO MXの取材に今の「思い」を語ってくれました。松永さんは「もう3年たつんだなというのが正直なところ。2人がいなくなってしまったんだというのは、日々感じない日はない」と語ります。そして「どうしても2人に会いたいなと思ってしまうけど、ただ、変えられない過去を思うよりは変えられる今と未来を変えていきたいと思っている」とも話してくれました。

 2020年10月、松永さんが見守る中で始まった裁判では、車を運転していた飯塚幸三受刑者(90)は初公判から一貫して無罪を主張し続けました。しかし2021年9月、東京地裁は「ブレーキとアクセルを踏み間違える過失があった」と認定し、飯塚受刑者に禁錮5年の判決を言い渡しました。裁判終了後、松永さんは「判決が出た瞬間、やはり涙が出てきてしまった。これで命が戻ってくるのならどんなにいいかと思ったらむなしさが出てきてしまったが、ただこの判決は私たち遺族がこの先少しでも前を向いて生きていけるきっかけにはなり得るかな」と話していました。

 これ以上同じような思いをする人が出てほしくないと、松永さんは事故をなくすための活動を続けてきました。2019年8月には運転手への厳罰を求めて署名活動を行い、1カ月間におよそ40万人分の署名を集めました。

 つらく悲しい思いを抱えながらも「2人の命を無駄にしたくない」という思いが松永さんを突き動かしてきました。松永さんは「この3年間、『2人に会いたいと思っては、どうにもならない現実に打ちひしがれる』という思いを痛いほど何度も何度も繰り返してきた。だからこそ、自分に言い聞かせるように…、2人の命が戻らないからこそ、他の人の命が守られてほしい。(交通事故に)終わりはないから続けていきたい。それが結果的にここで亡くなった2人に『少しでも2人の命を無駄にしないように生きてきたよ』と、いつか言えると思う」と語ってくれました。

 事故現場に建てられた慰霊碑にも刻まれた松永さんの「交通事故で平穏な日常が奪われる人がゼロになりますように…」という思いは、これからも変わらず未来へと続いていきます。

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