スカイツリー開業10周年 共に歩んだ地域の店は…

 5月22日、東京スカイツリーは開業10周年を迎えました。開業に合わせて新たな試みを始めた地元の飲食店の店主は今、どんな思いでいるのでしょうか。スカイツリーと歩んだ10年を振り返ってもらいました。



 スカイツリーで行われた10周年の記念式典では、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんがスカイツリー頂上部から見物客が1年間無病息災で過ごせると伝わる「にらみ」を披露し、10周年を祝いました。

 2012年5月22日、あいにくの空模様の中、スカイツリーは開業しました。東日本大震災のおよそ1年後に開業したスカイツリーに、お膝元となった地域は当時"地元に明るい光を照らしてくれる”と期待を寄せました。

 阿部訓諭さんもその一人です。自身がデザインしたシャツも販売するバー「イプクレス・ラウンジ」をオープンさせました。当時、阿部さんは「すごく存在感の大きいもので、とても可能性を秘めたタワーだと思う」と語っていました。あれから10年──。再び訪ねてみると、阿部さんは「自分の先見の明は間違っていなかったと思う。マンションがどんどん店の周りに建ち、若くて新しい人々がこの街にたくさん引っ越してきた。地元に友達が欲しい、行きつけのバーが欲しいと利用してくれる人が多く、楽しくあっという間に10年間は過ぎていった」と語ってくれました。

 インバウンドの急拡大もあり、コロナ禍の前は地元の住民と外国人旅行者の交流の場としても愛されました。しかし新型コロナウイルスの感染拡大で、店舗はやむなく休業を強いられます。そこで阿部さんは起死回生の策として、シャツの端切れでマスクを作って販売することを思い立ったといいます。阿部さんは「マスクを1枚1000円で販売し、700円分のドリンクチケットを付けた。緊急事態宣言後に"少しでもお店を手助けしたい”といっぱい飲みに来て、時短の時もあったが、みんなチケットを使いに来てくれた」と振り返りました。

 地域の人たちと共にコロナを乗り越えようと奮闘する阿部さんは、休日には近くの隅田公園にキッチンカーを出店するなどチャレンジを続けていて、これからもスカイツリーと共に歩みます。

 もう1つ、10年前に取材していたのがスカイツリーをイメージした「タワー丼」です。タワー丼を生み出した「そば処かみむら」の店主・伊藤松博さんは、当時「うれしい気持ちとこれから頑張っていこうという気持ちでマックスのボルテージ」と語っていました。

 10年がたった今、開業時と変わらぬ値段のまま、タワー丼はすっかりお店の名物メニューとなっていました。店主の伊藤さんは「毎日20食から30食ぐらい今でも注文がある。意外とみんなぺろりと食べてくれる」と語ります。また「(10年前とセットの中身は)変わっていない。材料費は全部上がっているが、丼の値段はなかなか上げられなくて…」と話しました。

 開業から10年を迎えたスカイツリーは、これからも地元に愛されながら東京のランドマークであり続けます。

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