物価高騰で食卓のメニューにも影響 秋の味覚も大ピンチ

 物価の高騰が家計に打撃を与えています。秋になってさまざまな製品のさらなる値上げが続き、スーパーマーケットでの買い物の仕方にも変化が起きているようです。



 安さが売りの、都内にあるスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は「今年の場合は異例。去年ぐらいから食料品の値上がりが始まって、どんどん品目も増えている状況。輸入物の肉や魚は円安の影響も受けている。原油高の影響で物流コストも上がっていて非常に厳しい」と話します。買い物客からは「どれもこれも価格が上がっている」「いままで千円札2枚あればまあまあの買い物ができたのに、今は3000円は超えてしまう。だから、ものを買ってから献立を考える」といった声も聞かれ、物価高が家計に響き、スーパーでの買い方にも影響が出ているようです。多くの買い物客が夕飯の献立を決めて目当ての食材を買うのではなく、割引商品や特売品などを見てその日のメニューを決めると話します。買い物客の中には「安い時になるべくいっぱい買って、まとめて作って冷凍しておくなど工夫している」「旬の野菜もそんなに安くなくて何を作るか困ることがあって、その中から安いのを選んでなんとか頑張ろうかなという感じ」と話す人もいました。

 値上げの波は秋の味覚にも及んでいます。アキダイの秋葉社長は「サンマはいつもより小さい。普段あまり出回らないような大きさのものが平年より高いという状態」といいます。店頭に並んでいた旬を迎えたサンマは2匹で480円で(9月12日現在)例年より身が細く小ぶりですが、このスーパーによりますと燃料価格の高騰によって漁獲量が減った影響で、価格は1割から2割ほど高いということです。また、秋の食材を代表するマツタケは円安などの影響で中国産の輸入量が減ったことなどから、連日、店頭にも並ばない状態です。秋葉社長は「利益は失いました。これはどうにもならない。物価が上がっているから支出が増えているという現状で、顧客の価格への関心度が上がっている。だから仕入れ値が上がったからといって、店側もやすやすと値段を変えられる状況ではない」と話します。

 物価が下がる兆しは見えず、消費者にとっても事業者にとっても厳しい状況が続きます。

<止まらない物価高に…東京都や自治体が独自対策>

 秋になってもさまざまなものの値上がりが続いています。国内で販売されている主要商品の価格の推移を見てみると、食パンは1斤当たり、2022年1月3日には138.9円だったものが8月22日には150円になっています。他にも、マヨネーズは1キロ当たり50円以上も値上がりしていますし、洗濯用の洗剤やトイレットペーパーなど、生活の中で何度も購入するものの価格が高騰しているため、家計への負担は大きくなっています(資料は「東洋経済オンライン」まとめ)。

 物価高で苦しいのは企業も同じです。そこで東京都は「物価高騰分をすぐに価格に転嫁できない事業者」を支援する補正予算案を先日、公表しました。光熱費や給食費が高騰している医療機関に58億円、保育所に11億円のほか、燃料費が高騰している中小の運輸事業者や銭湯の支援にも予算が付けられていて、9月20日からの都議会で審議されます。

 東京都の取り組み以外に、都内の各自治体も独自の対策に乗り出しています。杉並区の岸本聡子区長は、9月12日から始まった区議会の所信表明の中で、低所得世帯への区独自の給付金や学校給食値上げ分の保護者負担の解消などを打ち出しました。また、府中市は市民を対象としたプレミアム付き商品券で「還元率40%」を掲げています。プレミアム率30%という自治体が多い中、40%を打ち出して家計を支えます。このプレミアム付き商品券の申し込みは現在受け付け中で、16日が締め切りです。

 価格高騰が続く中、取材したスーパーアキダイの秋葉社長から"家計の救世主”を聞きました。今年は関東の天候が安定していたこともあり、関東近郊で取れる野菜の値段が安くなっているということです。アキダイではキャベツの値段は普段は128円ぐらいですが今は98円、秋ナスは普段は158円ぐらいですが128円で販売されていて、お得に買うことができるということです。

 10月以降も乳製品の値上げなどが予定されています。自治体からの支援策や、特売品・クーポンなどを活用して乗り切るしかありません。そして政府には物価高への対策とともに、賃金アップにつながる経済政策を検討してほしいところです。

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