あと1カ月なのに… 東京の公立中学3年対象「スピーキングテスト」巡り続く議論

 東京都内の公立中学3年生を対象に、11月に「英語スピーキングテスト」が実施されます。開催がおよそ1カ月後に迫る中、大学教授など有識者が10月19日、東京都に要望書を出し、会見を開きました。実施日が近づいているのにいまだに意見が飛び交っているこのテストについて、内容と問題点をまとめました。



 中学校英語スピーキングテストは「『使える英語』の育成を目指し『話すことの力』を客観的に評価すること」が目的とされています。都内の公立中学校に通う3年生が対象で、11月27日に実施が予定されています。試験は東京都が、通信教育などを行うベネッセコーポレーションと共同で実施します。100点満点の試験で、この結果をAからFの6段階のランクに分け、そのランクに合わせた点数が最大20点分とした上で、高校入試の結果に組み入れられます。

 実際に行われるのは、どのようなテストなのでしょうか。昨年度に行われたプレテストでは、英文を読み上げる問題や4こまの絵から物語をくみ取って英語で話すものなど、大きく4つのパートに分かれています。試験ではタブレット端末と防音用のヘッドホン、イヤホンマイクが配られ、マイクを使って回答を録音する流れになっています。

 次に、このテストが導入されるまでの経緯を見てみます。そもそもこのテストは3年以上前の2019年2月、実施方針が作られました。2021年9月には入学者選抜の活用の際に20点加算されることが決まり、2022年3月にはスピーキングテスト実施について盛り込まれた予算が都議会で承認されました。これらを踏まえ、9月22日、東京都教育委員会は入学者選抜の実施要綱にスピーキングテストの実施を盛り込みました。

 テスト実施まで間もなく1カ月となるというのに、つい先日の都議会第3回定例会では立憲民主党の会派が「テスト結果を評価に入れないよう求める条例案」を提出したり、大学教授などの有識者が東京都に要望書を出すなど、今も反対する声は根強くあります。反対する人たちが指摘するのは、まず「採点の不透明性」についてです。スピーキングテストの採点は日本ではなくフィリピンで行われることになっていますが、どういった資格を持つのか、あるいはどういった職業の人が採点するのかなど、採点者の詳細は明かされていません。また「点数の不公平性」についても指摘する声があります。スピーキングテストは100点満点のテストをAからFの6段階に分けるとしていますが、このレベル分けは単純に6等分しているわけではありません。例えば、1番上のAランクは「80~100点」(20点の幅)ですが、次のBランクは「65~79点」(14点の幅)となっています。1つランクが下がると4点ずつ減点される仕組みのため、1点の違いでランクが変わればその差は大きくなってしまいます。東京都教育委員会は採点について「プレテストなども実施して、公平・公正に採点を完了できる」としていて、点数化についても「段階的に点数化することで適切に活用できる」と主張しています。

 1カ月先に迫った中学校英語スピーキングテストは、何よりも参加する受験生にとって安心して受けられるテストになってほしいと思います。

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