渋谷のランドマーク「青ガエル」がハチ公の故郷に到着

 JR渋谷駅前のランドマークとして長年にわたって親しまれてきた鉄道車両=通称「青ガエル」が新天地・秋田県に到着しました。今回の移設作業は「密」を避けるため、大々的な告知やセレモニーもなく深夜に行われました。渋谷から秋田への大規模な「引っ越し」を追いました。 東急電鉄が1954年から86年にかけて運用した旧5000系車両=通称「青ガエル」が渋谷駅前にやってきたのは2006年のことでした。その後、渋谷の街の観光案内所として外国人観光客などにも人気となりました。 青ガエルは独特の存在感を示しながら渋谷のランドマークとして街を見守り続けました。その青ガエルの移設が決まったのは、今年2月のことでした。渋谷駅周辺で行われる大規模な再開発のためです。 今回の引っ越し作業は新型コロナウイルス感染が拡大する中、「密」を避けるため、2日間にわたってひっそりと行われました。8月1日夜、終電間際の渋谷駅前で数人のスタッフによって始まった引っ越し準備は、2日深夜1時すぎに窓やライトを丁寧に梱包(こんぽう)し、最終的に車両全体がシートですっぽりと覆われました。 そして作業2日目。いよいよ青ガエルが渋谷を離れる日です。1日目から一転し、この日は工事関係者、マスコミ、そして別れを惜しむ多くの鉄道ファンが渋谷駅前に集まりました。3日午前1時半すぎに作業が始まると、車両の下にジャッキが入れられ、車体が持ち上げられました。続いて運搬用の台車を車体の下に入れ、少しずつスクランブル交差点へと移動させました。車両を交差点まで運ぶと慎重に車体にロープを通し、大型クレーンでつるされ、青ガエルはゆっくりと丁寧にトレーラーの荷台に運ばれ、午前4時45分、無事トレーラーに乗せられました。およそ4時間にわたって行われた作業は大きなトラブルもなく、午前5時すぎに終了しました。そして青ガエルは新天地へと旅立っていきました。 向かった先は渋谷で“相棒”として過ごしたハチ公のふるさと、秋田県大館市です。ほぼ3日間かけ、6日朝、現地に到着しました。設置されるのは観光施設「秋田犬の里」です。実はこの施設にもハチ公像があります。青ガエルは来場場の休憩スペースとして使われる予定で、地元の憩いの場として新たな役割を担います。