冬の風物詩に変化 「囲まない鍋」に人気

 冬の定番料理の一つが「鍋料理」ですが、今年はこれまでのような大勢で「囲む」スタイルから、「囲まない」スタイルに変化しています。 新型コロナウイルスの影響で、この冬、大勢で鍋をつつく風景が消えています。コロナで経営に大きな打撃を受けた墨田区・両国の国技館近くにある「ちゃんこ巴潟」が新しくメニューに加えたのが、1人用の鍋料理、その名も「ちゃん個鍋」です。味はみそ、しょうゆ、水炊きなど4種類の中から選べます。1976年の創業以来続いてきた伝統の味をなんとしても守り抜くという強い気持ちがこの鍋に込められています。 外食産業が懸命に生き残りを図る一方で、自宅で1人用の鍋を楽しむ人も増えているようです。東京・江戸川区のホームセンター「島忠ホームズ」では、1人用の土鍋の売り上げが前年よりも約2割増えているといいます。島忠の商品バイヤー・山崎孝浩さんによると「今年は小さい鍋の売り上げが伸びている。家族全員分を買ったり、1人で3〜4点買うような売れ行きになっている」ということです。 もつ鍋や水炊き鍋が名物の福岡県のアンテナレストラン「福扇華」(千代田区)は今年、コロナの影響で約2カ月半の営業停止を余儀なくされました。6月にようやく営業を再開しましたが、客足は鈍ったままだといいます。そこで考えついたのが「鍋のテークアウト」です。本場・福岡の味を家庭でも楽しめるようにしたことで、売り上げが回復しつつあります。 この冬、人々の食事スタイルは大きく様変わりしました。まだまだ先の見えないコロナとの闘いが続く中、1年後の冬、大勢で鍋を囲む風景は戻ってきているのでしょうか。