「肌着禁止」に驚きの声。日本の「ブラック校則」にショックを隠しきれない外国人たち

「肌着禁止」に驚きの声。日本の「ブラック校則」にショックを隠しきれない外国人たち

maroke / PIXTA(ピクスタ)

 何度目だろう、「ブラック校則」「学校の謎ルール」が議論を呼んでいる。今回のキッカケは体操服の肌着禁止だ。

◆炎上続きの教育現場

 ご存知の方も多いだろう。川崎市の小学校で、「体操服の下は肌着禁止」というルールが存在していたことが発覚し、大問題となっている。(参照:神奈川新聞)

 川崎市議会予算審査特別委員会でこの問題が取り上げられた際、市教育委員会からの返答は「汗で体を冷やさないため」というものだったが、これに納得する人は少ないだろう。日本テレビ系の『スッキリ』では男性教諭が胸を確認して、成長度合いによって肌着着用の可否が決まっていたことも報じられた。

 また、ツイッターのトレンドでは「肌着禁止」が一位となるなど、大手メディアからSNSまで、幅広く議論を呼び起こしている。

 この問題については、「またか……」と思われた読者の方も多いだろう。「ブラック校則」や「学校の謎ルール」へは以前から批判が相次いでいるが、2021年の今もこうしたニュースが話題となっているように、教育現場における異常な規則は残り続けている。

 そのあまりの多さに、我々の感覚が麻痺している部分もあるのかもしれない。はたして、こうしたブラック校則・学校の謎ルールは、外国人の目にはどのように映っているのか? 日本の学校教育への客観的な意見を聞いてみた。

◆同僚や親に止める人はいなかったのか

 まずは目下、もっとも批判を浴びている肌着禁止について。日本国内でも、「これは謎ルールでなくハラスメント」という声は少なくないが、それは外国人も同じなようだ。

 「教師が勝手にやっていたことなのか、学校全体が知っていたことなのかわかりませんが、これはペドフィリア(小児性愛障害)じゃないですか。教師が生徒の胸を見て審査するなんて、ハラスメント、犯罪ですよ。周りに止める人がいなかったのも理解に苦しみます」(女性・ポーランド人)

 また、日本に対してのイメージが崩れたという声も。

 「日本はすごく進んでいる国という印象を持っていたので、とても驚きました。こういうケースが珍しくないというのも衝撃です。ハラスメントをする教師や、それが許されてしまう組織も問題ですが、こういった事例が多いのであれば、日本社会や親にも責任があると思います」(男性・カナダ人)

 「聖職」とも呼ばれる教職だが、その「聖域」にメスを入れ、風通しをよくするべきなのは間違いないだろう。

◆多様性とは正反対の校則

 容姿に関連したブラック校則・学校の謎ルールでは、地毛証明書やツーブロック禁止も話題となった。今年2月には、なんと都立高校の4割で地下証明書が要求されていたことが、共産党都議団の情報公開請求によって発覚している。(参照:朝日新聞デジタル)

 「子どもたちには人を見た目で判断してはいけないと教えているはずですが、それを教える側の学校が、率先して決められた髪型を押しつけているのが皮肉です。世の中にはいろいろな人がいるということを学べるのも、学校のいいところだと思うんですが……。大人が強制するルールを、子どもたちは身を以て感じているわけですから、影響は大きいはずです」(男性・フランス人)

 ダイバーシティや多様性という謳い文句とは裏腹に、幼少期から画一的な容姿を強いられ、「証明書」まで提出しなければいけないとなれば、その後の人生や考え方に影響することは間違いないだろう。

 「自分の見た目に悩んでいたり、何か変化を求めている子どもを全否定するということですよね。こんなくだらないルールに、みんな黙って従っているのがとても不思議です。

 海外でも私立などでは細かい規定もありますが、それは本人が納得したうえで入っているわけですから。公立でこうした決まりがまかりとおっているということは、日本の姿勢がそこに表れているということです。みんな同じじゃなきゃいけない、と」(女性・オーストラリア人)

◆日本の教育システムは破綻している

 最後は、死者や負傷者まで出ている、運動会や体育祭の組体操「ピラミッド」だ。こちらも外国人にはかなりショッキングなようで……。

 「こんなもの大人がやっても危ないってわかるのに、子どもにやらせるのは虐待じゃないの? それも怪我人まで出てるのに続けるなんて、無責任どころの話じゃないよね。やらせた教師は刑務所に入ったの? まあ、日本は『タケシズ・キャッスル』(『風雲! たけし城』)の国だから、これが普通なのかもしれないけど……」(男性・ポーランド人)

 事故が相次ぎながらも、いまだに「協調性」や「一体感」を理由に、一部地域では続けられているピラミッド。しかし、これも外国人の目には、単なる「言葉遊び」に映っているようだ。

 「そもそも、なぜこんなことを学校でしなければいけないのか、意味がわかりません。学校は勉強するところで、アクロバットを練習する場所ではありません。ピラミッドを続けなければチームワークが学べないのであれば、その教育システムは破綻しています。怪我人はもちろん、死者まで出ているなら、これはもう『変なルール』じゃなくて、『アビューズ(虐待)』ですよ」(女性・フィンランド人)

 多くの子どもたちが犠牲となりながらも、一向になくなる気配のない理不尽な校則や伝統。まずは、「ブラック校則」や「学校の謎ルール」といった言葉で、「犯罪」や「ハラスメント」を覆い隠すことをやめるべきだろう。

 子どもたちの未来を左右する、大人たちの学ぶべきことは、まだまだ多そうだ。

<取材・文/林 泰人>

【林泰人】

ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン

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