「捨て仕事」や「人任せ」が効率を上げる。わずか10分で誰でもできるスケジューリング

「捨て仕事」や「人任せ」が効率を上げる。わずか10分で誰でもできるスケジューリング

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 年度末、年度始に業務が集中し、多忙になる人は多いに違いない。そういうときこそ「優先順位をつけよう」と考えて、何から着手するか検討をし始めるも、その時間を捻出すること自体が忙しさに輪をかけてしまう。

◆10分程度で業務効率を上げる方法

 とにかく手を動かさねばと思い業務を処理し始めるが、本当に重要な業務や緊急な業務が一向に進捗しない、などということになってしまっては、目も当てられない。

 このように申し上げると、「繁忙期は業務量が多いのだから、どうしようもない」「残業して時間をかけるしかない」「がんばるしかない」という答えが返ってくる。

 しかし、どれだけ業務量が多くても、業務が進捗するようになり、業務効率が上がり、生産性が高まる方法がある。それも、誰でも10分程度で実施できるようになる方法だ。

◆マルチタスク管理とアクションプラニングとは

 その方法が、「マルチタスク管理手法」と「アクションプラニング手法」だ。

 マルチタスク管理手法は、まず自分自身が手足を動かして実施しなければならない業務を書き出すことから始める。

 業務を書き出したら、その日に実施しなくてもよい業務を除ける。残った業務のなかで、ほかの人に依頼できる業務があればそれを選ぶ。

 こうして、その日に実施しなくてもよい業務と、ほかの人に依頼できる業務を除いた残りが、今日やらなくてはならない業務ということになる。

 その日に実施しなくてもよい業務を選ぶということは、何もその業務を永遠にやらないということではない。実施すべき日に実施するということだ。もちろん、早めに実施することのほうがよいわけだが、その日に実施すべき業務をまず明確に実施することが、業務効率を上げることに役立つ。

 筆者は、ほかの人に依頼できる業務があれば、それを選ぶことを推奨したら、「みんなが自分で業務をやりたがらなくなる」「業務のたらい回しになるのではないか」という意見に接したことがある。

 チームメンバーみんなが、ほかの人に依頼できる業務があればそれを選ぶということは、業務を依頼することもあれば、業務を受けることもあるということだ。

 「この業務は、この専門の人にやってもらおう」「あの業務は、この人にやってもらったら自分よりも早く完了してくれる」というように、適任者に実施してもらいやすくなる。メンバーがほかの人に依頼できる業務はないか検討し始めると、チーム全体の業務効率が上がるようになる。

◆業務を分解したうえでの行動で成果アップ

 その日に実施しなくてもよい業務を除け、残った業務のなかで、ほかの人に依頼できる業務があればそれを選ぶ。さらにその残りの業務が、その日に自分が手足を動かして実施しなければならない業務だ。この業務をアクションプラニング手法により優先順位づけをする。

 

 優先順位づけは、残った業務について、まずは重要度の大・中・小を一気に記入する。それが終わったら、緊急度の大・中・小を一気に記入するというように、重要度と緊急度を別々に記入することで、それらの混在を避けることができ、曖昧さを排除しやすくなる。そのうえで、重要度が大で、緊急度も大の業務から取り組む。

 マルチタスク管理手法とアクションプラニング手法の演習プログラム参加者は、10分程度でこのプロセスを進めることができるようになる。

 大事なことは、漠然と「優先順位を立てよう」というように考えるのではなく、「その日に実施いなくてもよい業務を除ける」「ほかの人に依頼できる業務を選ぶ」「重要度の大・中・小を見極める」「緊急度の大・中・小を見極める」というように、分解した行動をとるということだ。あれこれ考えることよりも、行動することが解決の早道なのだ。

◆業務効率が上がるスケジューリングを

 質問:業務が山積しており気持ちを切り替える余裕さえない

 仕事のモチベーションファクターに合わせて、自分の意識を切り替えたり、相手のモチベーションファクターをふまえて指示の仕方を変えたりしていけば、モチベーションが上がり、パフォーマンスが向上することはわかりました。

 しかし、そもそも、やらなければならない業務が山積しており、ひたすら端から処理することに精一杯で、そのような工夫をしていく余裕がありません。山積する業務の処理能力を上げる方法はないでしょうか?

 回答:業務のスケジューリングの工夫をする

 業務効率の高い人は、業務のスケジューリングをするにあたり、下のような工夫をしていることが多いものです。類似業務や関連業務を同じ時間帯で実施するということは有効な方法です。ほかのメンバーや上司に依頼できることは依頼するという工夫もしています。

 <業務のスケジューリングの工夫例>

 ・類似業務や関連業務は、同じ時間帯や連続する時間帯で実施

 ・移動しながら処理、面談時に合わせて確認するなど、できることは同時に実施する

 ・社外相手、社内相手の仕事、序文でする仕事の順に優先順位をつける

 ・重要度、緊急度、貢献度の観点から業務の優先順位をつける

 ・メールはタイトルを見て、重要度のたかそうな順から本文を読む

 ・締め切りを後ろ倒しにできるか検討したり、交渉したりする

 ・ほかのメンバーや部下に依頼できることは依頼する

 ・上司に依頼できることは依頼する

 ・当該期間に実施しなくてよいことは、実施しない判断をする

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第234回】

<取材・文/山口博>

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある

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