ビル・ゲイツやサンデル教授の原点。視線を外す方向が印象を変える

ビル・ゲイツやサンデル教授の原点。視線を外す方向が印象を変える

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 聞き手の集中度・関心度を低下させないためには、句点や読点で視線を外して、間をつくることが効果がある。しかし、視線を外すと言っても、どの方向へ視線を外せばよいのだろう?

◆視線の外しかたは千差万別

 会話の最中に視線を外すことは重要だ。しかし、どの方向に外せばいいのか? 上だろうか、横だろうか、あるいは、下だろうか?

 こう問いかけて、自分の視線を外す方向を、スマホで自撮りしてもらおう。1分程度、自己紹介でも、仕事紹介でも、趣味の紹介でも休日の過ごし方でも、話しやすい内容であればなんでもよい。相手に向かって話してもらい、話している自分の顔を自撮りモードで撮影する。そして、そのビデオを再生して、アイコンタクトを外す方向をカウントしてもらう。

 すると、人それぞれ視線を外す方向のクセがあり、一人ひとりでは偏りがあるが、私のビジネススキル演習参加者のデータを平均すると、各方向にだいたい均等にわかれる。日本のビジネスパーソンは、視線を外す方向を意識していない、コントロールしていないということが言えると思えてならない。大事なことは、無意識のうちにクセである方向に視線を外していたとしても、視線を外す方向で相手に与える印象は大きく異なる可能性があるということだ。

 そこで、話し手が視線を外した方向別に、聞き手としてはどのような印象を受けるかを聞いてみた。視線を外した方向別に、もっとも多かった答えは次のとおりだ。

◆相手を巻き込みやすい視線の角度とは

 話し手が視線を外す方向:聞き手が受ける印象

 上:何か思い出しながら話しているように見える

 斜め上:時計や窓の外など、ほかのことが気になっているように見える

 横:聞き手や話の内容を否定しているように見える

 斜め下:自信がなさそうに話しているように見える

 下:うなずきながら、一生懸命話しているように見える

 聞き手としての印象も個人差があるが、もっとも多い答えに従って、視線を外すスキルを身につければ、基本の型を身につけることになる。そこで、句点や読点で視線を下に外すという反復演習をしていく。たいてい、3回くらい繰り返していくと、勘所がわかってくる。

 筆者がよく受ける質問に「下に外すとうつむいているようで、躊躇しているように思われないか」というものがある。たしかに下に外す秒数が長すぎると、ずっとうつむいているような印象を与えてしまう。

 あくまで、ひと呼吸、うなずくように下に視線を外す要領だ。そして、視線を外したあとは、また、相手に視線を合わせる。

「この人のプレゼンには、なぜかいつも引き込まれる」「この人にはよい印象をもっている」という人の言動をパーツ分解してみると、適度なタイミングで、視線を下に外しているという共通点があることがわかっている。とても単純だが、パワーのあるコアスキルで、このスキルを身につけると、他のスキルも連鎖的に修得しやすくなるのだ。

◆ビル・ゲイツ、マイケル・サンデル教授の原点

 句点や読点で視線を下に外すことに慣れてきて、あまり意識しなくても繰り出せるようになってくると、言葉に動作が乗りやすくなってくる。視線を下に外すという動作とともに両手を合わせてみたり、視線を戻すときに合わせた両手を広げたり、視線を下に外してできる間で、1歩、2歩と相手に近づいたり、戻ったりする。

 複数のメンバーに話しかけるときや、大勢の前でプレゼンするときには、そのなかの一人に対してワンセンテンス話したあと、句点や読点の間で別な人に対して視線を合わせる、そしてまた、一人に対してワンセンテンス話すということにも活用できる。そうすることで、大勢の聞き手に対して、まんべんなく視線を繰り出しながら、キーになる人に対してうなずきのアイコンタクトをして引きつけることができるのだ。

 ビル・ゲイツやハーバード白熱教室でも紹介されたマイケル・サンデル教授が繰り出す、歩き回りながら聞き手を引きつける手法の原点は、下に外すアイコンタクトにある。

◆質問:どの方向へ視線を外せばよいか

 句読点で視線を外して、間をつくるといっても、いったいどの方向へ視線をはずしたらよいのでしょうか? いったい、ビジネスパーソンの人たちは、どの方向へ視線を外しているのでしょうか? 視線を外す方向にも、よい方向、悪い方向があるのでしょうか?

 回答:視線を下に外すと相手を巻き込みやすい

 日本のビジネスパーソンに、視線を外す方向によってどのような印象を受けるか聞いてみました。視線を上に外すと「何か思い出しながら話しているようだ」、斜め上は「時計や窓の外を気にしているようだ」、横は「相手を否定しているようだ」、斜め下は「自信がなさそうだ」という答えが返ってきます。

視線を下に外すと、「うなずきながら話しているようで、巻き込まれやすい」と思う人が多いのです。視線を下に外すことをオススメします。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第131回】

【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある

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